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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 10

[キーフレーズ]
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)の事

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●原文
ものはかなき更衣腹にてものしたまひければ、

●原文に漢字を付加
物(もの)果無(はかな)き更衣腹(かうい-ばら)にてものし給(たま)ひければ、

●訳
たいしたことがない更衣から生まれた皇女でいらっしゃったので、

●言葉の意味
・物(もの)果無(はかな)し・・・
どことなく頼りない。あまり力のない。
・更衣(かうい)
後宮(こうきゅう)で、天皇の寝所に仕える女官の一つ。「女御(にようご)」の下位(五位)。納言(なごん)以下の家柄の女子から選定。
・更衣腹(かういばら・こういばら)・・・
「更衣」から生まれた皇子・皇女
・後宮(こうきゅう)・・・
后妃や、奉仕する女官達の住む宮殿。

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●原文
御(おん)交(ま)じらひのほども心細げにて、

●原文に漢字を付加
御(おん)交(ま)じらひの程(ほど)も心細げにて、

●訳
後宮(こうきゅう)での御付き合いのほうも疎(おろそ)かで、

●言葉の意味
・交(ま)じらひ・・・
交際。付き合い。
宮仕え。
・心細(こころ-ぼそ)し・・・
心細い。頼りない。

●解説
・藤壺女御(ふじつぼのにょうご)・・・
女三の宮(をんなさんのみや・おんなさんのみや)の母。
朱雀帝の女御。

●その他
・助動詞の「き」と「けり」・・・
「き」は、実際に体験した過去。直接体験。
「けり」は、他人から聞いた過去。間接体験。「~したそうだ」。

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)6

(正字体と現代字体,歴史的仮名遣いと現代仮名遣いを併記)

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
(みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼんだいにじゅうご)

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[キーフレーズ]
菩薩の力

●原文
若有持是觀世音菩薩名者

若有持是観世音菩薩名者

にやくうじぜ くわんぜおんぼさつ みやうしや

にゃくうじぜ かんぜおんぼさつ みょうしゃ

●書き下し文
若(も)し、是(こ)の観世音菩薩の名を持する者有らば、

●訳 1
もし、この観世音菩薩の名を保持するならば、

●訳 2
もし、この観世音菩薩の名を一心に称える者がいるならば、

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●原文
設入大火 火不能燒

設入大火 火不能焼

せつにふ だいくわ くわふのうせう

せつにゅう だいか かふのうしょう

●書き下し文
設(たと)ひ大火(たいくわ)に入(い)るとも、火(ひ)も焼(や)くこと能(あた)わず。

設(たと)い大火(たいか)に入(い)るとも、火(ひ)も焼(や)くこと能(あた)わず。

●訳 1
たとえ、大火に入ろうとも、菩薩の力によって、火は、身を焼くことができない。

●訳 2
たとえ、大火に包まれても、火の方が逃げていく。

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≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店

 
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文花【あやはな】(文学)

山家集 ゆくへなく月に心のすみすみて

[キーフレーズ]
ぼーっとする

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ゆくへなく 月に心の すみすみて
果てはいかにか ならむとすらむ

ゆくへなく つきにこころの すみすみて
はてはいかにか ならむとすらむ

西行

山家集 353

●漢字を付加
行方無く月に心の澄み澄みて果ては如何にか為らんとすらむ

●訳
ぼーっと月を見ているうちに、心が澄んでいった。どこまでも澄んでいって、このままいくと私の心はどうなってしまうのだろう。

●解釈
感じたままを詩(うた)にした、西行の魅力が溢(あふ)れでている作品。

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《参考文献》
久保田淳・吉野朋美 校注 (2013)『西行全歌集』岩波文庫

 
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《今日の名言》
「世の中を夢とみる」
「捨てぬ人をぞ捨つるとはいふ」(出家をしない者こそが自分を捨てている者である)
西行

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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)5

(現代字体と正字体を併記)

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
(みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼんだいにじゅうご)

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[キーフレーズ]
苦からの解放

●原文
觀世音菩薩
即時觀其音聲
皆得解脫

観世音菩薩
即時観其音声
皆得解脱

かんぜおんぼさつ
そくじかんごおんじょう
かいとくげだつ

●書き下し文
觀世音菩薩、
即時に、其の音聲を觀じて、
皆、解脫することを得せしめん。

●訳 1
観世音菩薩は、直(す)ぐに、その声を聞いて、皆(みな)、苦悩からの解放を得(え)るだろう。

●訳 2
そうすると、観世音菩薩は、即座にその声を観(み)て、皆(みな)を苦(く)から解放させるだろう。

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●解釈
・「解脱(げだつ)」・・・
呪縛を解いて、苦を脱すること。

●言葉の意味
・觀[観](読み)・・・
カン
み(る),み(せる),しめ(す)
・觀[観](意味)・・・
① 注意して見る。
① 広く見わたす。
② 人々に見せる。しめす。
③ 姿。外見。
④ ものの見方。考え方。
⑤ 易(えき)の六十四卦の一つ。

 
≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店

 
《今日の言葉》
「無知な友人を持つことほど危険なものはない」
ラ・フォンテーヌ

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

無量義経(むりょうぎきょう)14

(現代字体と正字体を併記)

無量義経徳行品第一
無量義經德行品第一

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[キーワード]
菩薩の徳

●原文
戒 定 慧 解脱 解脱知見 之所成就
戒 定 慧 解脫 解脫知見 之所成就
かい じょう え げだつ げだつちけん ししょじょうじゅ

●書き下し文
戒(かい)・定(じょう)・慧(え)・解脱(げだつ)・解脱知見(げだつちけん)の成就せる所なり。

●訳
菩薩たちは、戒・定・慧・解脱・解脱知見などの優れた徳を備えていた。

●解説
・「戒(かい)」・・・
仏の戒めを守って外(はず)れることがないこと。
自分自身を管理する内面的な道徳に適(かな)った規範。
戒を守ることを持戒という。
・「定(じょう)」・・・
禅定(ぜんじょう)。
心が定(さだ)まって動かないこと。
一つの対象に心を集中して、散り散りに乱れる心を安定させること。
心を静めて特定の対象に集中している状態。
・「慧(え)」・・・
智慧(ちえ)。
智慧が深いこと。
仏教の教えに基づいて、正しく物事を認識し判断する精神作用。
・「解脱(げだつ)」・・・
世間の迷いや苦しみから離れること。
煩悩の束縛から解き放たれて、苦から脱し、自由な悟りの境地に達すること。
・「解脱知見(げだつちけん)」・・・
自分が解脱してることを自分で認識していること。

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≪参考文献≫
・伏見友貴 (2013)『無量義経』
(無量義経徳行品第一)
・白川静 (2003)『常用字解』

 
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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし) 11

[キーセンテンス]
7つの基準をもとに情報収集する

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●原文
故校之以計
コ コウ シ イ ケイ

●書き下し文
故(ゆえ)に之(これ)を校(くら)ぶるに計を以(もっ)てして、

●訳 1
ゆえに、比較検討するに、七つの基準をもとにし、

●訳 2
ゆえに、七つの基本条件で比較検討して、

●解釈
・「校(くら)ぶる」・・・
比較する。比較検討する。照らし合わせて考える。
・「計」・・・
基準。基本条件。項目。

●言葉の意味
・故(正規の読み)・・・

ゆえ,ことさら(に),ふる(い),もと
・校(正規の読み)・・・
コウ,キョウ
あぜ,かせ,かんが(える),くら(べる)
・校(正規の意味)・・・
① 学校。
② 陣営に設置した柵。
③ 比(くら)べる。照らし合わせて考える。
④ かせ。手足にはめる刑具。
・之(正規の読み)・・・

これ,こ(の),の,ゆ(く)
・以(正規の意味)・・・

もち(いる),もっ(て)
・計(正規の読み)・・・
ケイ
はか(らう),はか(る),かぞ(える)
・計(正規の意味)・・・
① 企てる。計画する。
② 計(かぞ)える。数を調べる。

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●原文
而索其情
ジ サク キ ジョウ

●書き下し文
その情を索(もと)む。

●訳
情報を手繰(たぐ)り寄せる。

●解釈
・「情」・・・
実情。正しい情報。敵味方の状態。彼我の優劣。

●言葉の意味
・而(正規の読み)・・・

しか(して),しか(も),しか(るに),しか(れども),なんじ
・索(正規の読み)・・・
サク
さが(す),もと(める),つな,なわ
・索(正規の意味)・・・
① 索(さが)す。索(もと)める。手繰(たぐ)り寄せる。
② つな。なわ。縄(なわ)を綯(な)う。
・其(正規の読み)・・・

そ(の),それ
・情(正規の読み)・・・
ジョウ,セイ
こころ,なさ(け),おもむき
・情(正規の意味)・・・
① こころ。心持ち。気持ち。
② なさけ。思いやる心。
③ おもむき。味わい。
④ 実際の姿。物事の実際の様子。

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 47

[キーフレーズ]
大海人皇子軍の勝利

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(現代字体と正字体,現代仮名遣いと歴史的仮名遣いを併記)

●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
絳-旗耀兵。

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
絳旗兵を耀して。

●原文 2
絳旗耀兵
カウキ ヤウヘイ
コウキ ヨウヘイ

●書き下し文 2
絳旗(かうき)兵(つはもの)を耀(かがや)かして、

●訳
赤い旗が兵士を輝かせて、

●解説
大海人皇子軍を象徴する色は赤だったことが日本書紀に記されている。

●言葉の意味(「読み」には歴史的仮名遣いも併記)
・絳(読み)・・・
コウ・カウ
あか,あか(い)
・旗(読み)・・・

はた
・耀(読み)・・・
ヨウ・ヤウ
かがや(く)
・兵(読み)・・・
ヘイ,ヒョウ
いくさ,つわもの・つはもの

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●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
凶-徒瓦-解

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
凶徒瓦の如く解けつ。

●原文 2
凶徒瓦解
キヨウト グワカイ
キョウト ガカイ

●書き下し文 2
凶徒(きようと・きょうと)、瓦(かはら・かわら)のごとく解(と)けぬ。

●書き下し文 3
凶徒(きようと・きょうと)、瓦解(ぐわかい・がかい)す。

●訳
近江朝は完全に崩れ去った。

●解説
・外国(唐土 – もろこし – )の文化を重んじる集団と日本の伝統文化を重んじる集団との戦い。
・「瓦解」・・・
大友皇子が完全に敗北したことを記す。

●言葉の意味(「読み」には歴史的仮名遣いも併記)
・凶(読み)・・・
キョウ
おそ(れる),わざわ(い),わる(い)
・徒(読み)・・・
ト,ズ
あだ,いたずら(に),かち,ただ,ともがら,むだ
・瓦(読み)・・・
ガ,かわら・かはら,かわらけ・かはらけ
グラム
・解(読み)・・・
カイ,ゲ
と(く),さと(る),ほぐ(れる),ほつ(れる),ほど(く),わか(る)

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●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
杖-矛擧威。猛-士烟-起。絳-旗耀兵。凶-徒瓦-解。
・杖矛威を擧て。猛士烟の如く起り。絳旗兵を耀して。凶徒瓦の如く解けつ。
上三句は御方の軍のさかりなるさま、下一句は近海(アフミ)の軍の敗れしさまなり。
(意訳:
上三句は大海人皇子軍の勢いが増しているさま、下一句は大友皇子軍が敗北したさまを記している。)

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/3/20)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/3/20)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第134回)

(アクセス日:2017/3/20)

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)4

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
(みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼんだいにじゅうご)

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[キーフレーズ]
音を観る

●原文 1
善男子 若有無量 百千萬億眾生 受諸苦惱
ぜんなんし にゃくうむりょう ひゃくせんまんのくしゅじょう じゅしょくのう

●原文 2
善男子 若有無量 百千萬億衆生 受諸苦悩

●書き下し文
善男子(ぜんなんし)、若(も)し無量(むりょう)百千萬億(まんのく)の衆生(しゅじょう)ありて、諸(もろもろ)の苦悩(くのう)を受(う)けんに、

●訳 1
善男子よ、もし数えきれぬほどの、たとえば、百千万億の人々が、諸々(もろもろ)の苦悩を受け、

●訳 2
善男子よ、もし多くの人々が、諸々の苦悩を受ける場合でも、

●訳 3
善男子よ、もしも無量・百千万億の生あるものたちが、多くの苦悩を受けた時、

●解説
・「善男子」・・・
善い男。善良な男子。

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●原文 1
聞是觀世音菩薩 一心稱名
もんぜかんぜおんぼさつ いっしんしょうみょう

●原文 2
聞是観世音菩薩 一心称名

●書き下し文
是の観世音菩薩を聞きて、一心に名を称せば、

●訳 1
この観世音菩薩の名を聞き知って、一心にその名を称えるなら、

●訳 2
この観世音菩薩の名を聞いて、一心にその名を称えたならば、

●訳 3
この観世音菩薩の声を聞き、その呼ばれた声に純粋素直に耳を傾け、その名を唱えたならば、

●解説
・「観世音」・・・
助けを請(こ)う「世」の人々の「音」(声)を「観」て救う。
音は音波(波動の一つ)であり、観音様にはエネルギーのようなものとして「観」える。

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≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 46

[キーセンテンス]
勢いの増す大海人皇子軍

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●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
杖-矛擧威

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
杖矛威を擧て

●原文 2
杖矛擧威
ヂヤウバウ キョヰ

●書き下し文 2
杖矛(ぢやうばう・ぢゃうばう)威(ゐ)を擧(あ)げて

●言葉の意味(「読み」には歴史的仮名遣いも併記)
・杖(読み)・・・
ジョウ・ぢゃう・ぢやう
つえ・つゑ
・矛(読み)・・・
ム,ボウ・バウ
ほこ
・擧[挙](読み)・・・
キョ
あ(がる),あ(げる),こぞ(って),こぞ(る)
・威(読み)・・・
イ・ゐ
おど(す)
・「ゐ・ヰ」・・・
わ行い段

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●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
猛-士烟-起。

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
猛士烟の如く起り。

●原文 2
猛士烟起
マウシ ヱンキ

●書き下し文 2
猛士(まうし)煙起(ゑんき)し、

●書き下し文 3
猛(たけ)き士(さむらひ)烟(けぶり)ごとく起(お)こり、

●言葉の意味(「読み」には歴史的仮名遣いも併記)
・猛(読み)・・・
モウ・マウ
たけ(し)
・士(読み)・・・

さむらい・さむらひ
・烟(読み)・・・
エン・ヱン
けむ(い),けむり,けむ(る),けぶ(る),けむ
・起(読み)・・・

お(きる),お(こす),お(こる),た(つ)
・「猛士」・・・
勇猛な兵士。
・「ゑ・ヱ」・・・
わ行え段

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●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
杖-矛擧威。猛-士烟-起。
・杖矛威を擧て。猛士烟の如く起り。
御方の軍のさかりなるさまなり。
(意訳:
大海人皇子の軍が勢いを増している様子が記されている。)

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/3/17)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/3/17)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第134回)

(アクセス日:2017/3/17)

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 9

[キーフレーズ]
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)

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●原文
取り立てたる御後見(おんこうけん・おんうしろみ)もおはせず、

●訳 1
これと言った後見人もいらっしゃらず、

●訳 2
安心して生活できるほどの面倒を見てくれる人もいらっしゃらず、

●解説
藤壺は、父である先帝が早世なされた後、面倒を見てくれる後ろ盾(うしろだて)がいらっしゃらなかった。

●言葉の意味
・後見(こうけん)・・・
後ろ盾(うしろだて)となって面倒を見る者。後ろ見(うしろみ)。

 
●原文
母方(ははかた)もその筋となく、

●訳 1
母方(ははかた)も立派な血筋の方はおらず、

●訳 2
母方も立派な(名門の)家柄というのでもなく、

●訳 3
母方も、これと言った勢力もなく、

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●解説
・朱雀院
桐壺帝の第一皇子。母は弘徽殿女御。
桐壺帝在位中は、「東宮(とうぐう)」。
在位中は、「朱雀帝(すざくてい・すざくのみかど)」。
譲位後は、「朱雀院(すざくゐん)」。
・弘徽殿女御(こきでんのにょうご)・・・
桐壺帝在中は、「后(きさい)」。
朱雀帝在位中は、「弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)」。
・女三の宮(おんなさんのみや)
朱雀帝の四人の皇女の中の一人。
朱雀院と藤壺女御(ふじつぼのにょうご)との間に生まれた皇女。
・朱雀院の皇女
女一の宮。女二の宮。女三の宮。女四の宮。
・朱雀院の皇子
今上。

 
《参考文献等》
山岸徳平 (翻訳) (2010)『源氏物語』岩波書店

 
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《今日の言葉》
「病は人の見えぬ処より始まりて、やがては見えし処にて現る」
菜根譚

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