カテゴリー
神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)65

●原文‥‥
心鏡煒煌
【もとあや‥‥
シン キョウ イ コウ】

 
●書き下し‥‥
心の鏡は煒き煌めきて
【●かきくだし‥‥
こころ の かがみ は かがやき きらめきて】

 
●訳 1‥‥
心は鏡のように煒き煌めいて、
【●ヤク イチ‥‥
こころ は かがみ の ように かがやき きらめいて】

 
●訳 2‥‥
心の鏡は煒き煌めいて、
【●ヤク ニ‥‥
こころ の かがみ は かがやき きらめいて】

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●原文‥‥
明覩先代
【●もとあや‥‥
メイ ト セン ダイ】

 
●書き下し‥‥
明らかに先つ代を覩たまひき
【●かきくだし‥‥
あきらかに さき つ よ を み たまひ き】

 
●訳‥‥
・歴史に通じておられた。

 
●「覩」‥‥
[読み]ト,み(る)
[意味]しっかりと見る。

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●古事記傳より
心鏡煒煌。明覩先代。
心鏡煒煌として。
明かに先代を覩たまふ。
心鏡とは、御心の明らけきを鏡にたとへて申せるなり。
さて此までは、此ノ天皇の凡ての御うへを申シて、
次の事を申さむ料なり。
【●ふることふみ つたへ より
シン キョウ イ コウ。メイ ト セン ダイ。
シンキョウ イコウ として。
あきらかに さき つ よ を み たまふ。
シンキョウ とは、みこころ の あきらけき を かがみ に たとへ て まをせ る なり。
さて、これ まで は、この すめらぎ の すべて の みうへ を まをし て、
つぎ の こと を まをさ む リョウ なり。】

 
●漢字対への構へ【からかた そろへ の かまへ】(対句構造)‥‥
重加
智海浩瀚 潭探上古
心鏡煒煌 明覩先代

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

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・古事記をそのまま読む

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・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第137回)

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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)64

●原文‥‥
重加 智海浩瀚
【●もとあや
ジュウ カ チ カイ コウ カン】

●書き下し 一‥‥
重ねて加ふるに智海は浩く瀚く
【●かきくだし ひ
かさねて くわふるに さとうみ は ふかく ひろく】
●書き下し 二‥‥
重ねて加ふるに智海は浩瀚として
【●かきくだし ふ
かさねて くわふるに チカイ は コウカン として】

●直訳‥‥
その上、知識の海は深く広く、

●意訳‥‥
その上、天武天皇の御知識は深く広く、

●言葉の意味‥‥
・「重加」:その上。そればかりではなく。

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●原文‥‥
潭探上古
【●もとあや‥‥
タン タン ジョウ コ】

●書き下し 一‥‥
上古を潭く探りたまひ
【●かきくだし ひ‥‥
かみついにしへ を ふかく さぐり たまひ】
●書き下し 二‥‥
上古を潭探し
【●かきくだし ふ‥‥
ジョウコ を タンタンし】

●譯き‥‥
古き歷し史を潭く探りたまひ、
【●とき‥‥
ふるき へし ふみ を ふかく さぐり たまひ、】
●訳‥‥
古の歴史を深く御探りになられ、
【●ヤク‥‥
いにしえ の レキシ を ふかく おさぐり になられ、】

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●『古事記傳』(本居宣長)より
重加智-海浩-瀚。潭探上-古。
重加(しかのみなら)ず智海浩瀚として。潭(ふか)く上古を探り。
智海とは、御智の廣く大キなるを海にたとへて申せるなり。
浩瀚は廣大ナル貌なり。

 
●対句構造‥‥
重加
智海浩瀚 潭探上古
心鏡煒煌 明覩先代

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)63

~現代字体~

●原文
以弘国
【●ゲンブン
イ コウ コク】

●書き下し文
以て国を弘めたまひき
【●かきくだしブン
もって くに を ひろめ たまひ き】
(「以」:接続の意.「そして」.
「たまひ」:尊敬の補助動詞「たまふ」の連用形.
「き」:過去の助動詞「き」の終止形.)

●直訳
そして、国をお弘(ひろ)めになられた。

●意訳
そして、(天武天皇は、)美しい国柄(くにがら)をお広めになられた。

 
~正字体~

●原文
以弘國
【●ゲンブン】
イ コウ コク

●書き下し文
以て國を弘めたまひき
【●かきくだしブン
もって くに を ひろめ たまひ き】

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●以(部首)・・・
「人」(ひと)

●以(読み)・・・

もち(いる)
もっ(て)

●以(意味)・・・
① 以(もち)いる。使用する。
② ~で。~を使って。(手段・方法)
③そして。(接続)

●以(漢字の成り立ち)・・・
「鋤(すき)(農具)」の形

(意味:)「鋤を用いて耕す」

(意味:)「用いる」

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●弘(部首)・・・
「弓」(ゆみへん)

●弘(読み)・・・
コウ
ひろ(い)
ひろ(める)

●弘(意味)・・・
弘(ひろ)い。
弘(ひろ)める。

 
●弘(漢字の成り立ち)・・・

「弓」:「ゆみ」の形。
字源的には、「ム」:「小さく取り囲む」形。→(意味:)「私有する」「わたくし」。

ここでは、「宏(コウ)」と同じ音→「宏(コウ)」と同じ意味を持つようになった。→(意味:)「ひろい」。

または、「弓を強く弾(はじ)いた時の音の広がり」→(意味:)「ひろい」「ひろめる」

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●「國」(部首)・・・
「口」(くにがまえ)

●「國」(読み)・・・
コク
くに

●「國」(意味)・・・
国。
領地。
特定の地域。

●「國」(漢字の成り立ち)・・・
「囗」:「村」の形。
「一」:「境界線」の形。
「戈」:「矛(ほこ)」の形。
(「口」(くにがまえ)は後世になって追加された。)

「武装した村」

(意味:)「国」

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

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古事記(ふることふみ)62

{ ポイント }
天武天皇の国づくり

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●原文
敷英風
【●ゲンブン
フ エイ フウ】

●書き下し文 1
英風を敷き
【●かきくだしブン 1
エイフウ を しき】

●書き下し文 2
英しき風を敷き
【●かきくだしブン 2
うつくしき すがた を しき】
(「敷」:行き渡らせる.
「英」:美しい.
「風」:柄.気風.)

●訳
(天武天皇は、)美しい国柄を行き渡らせ、
【●ヤク
てんむてんのう は うつくしい くにがら を ゆきわたらせ】
(「国柄」:国の性質.)

●古事記傳(本居宣長)より
敷英-風
英風を敷きて
英風は英聖の風教なり。
【●ふることふみ つたへ(もとおり のりなが)より
フ エイ フウ
エイ フウ を しき て
エイ フウ は エイ セイ の フウキョウ なり】

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●「敷」(部首)・・・
攵(ぼくづくり)

●「敷」(読み)・・・

し(く)

●「敷」(意味)・・・
敷(し)く。広げる。
敷(し)く。隅々(すみずみ)まで行き渡らせる。

 
●「敷」(漢字の成り立ち)・・・

・「旉」・・・
「草の芽」の形 +
「田畑」の形 +
「右手」の形

「稲の苗をしきならべる」の意味

・「攵」・・・
「卜」:「ボクッという音を表す擬声語」+
「又」:「右手」の形

「たたく」「軽くたたく」の意味

・「旉」+「攵」

「敷(し)く」「行(ゆ)き渡らせる」の意味。

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●「英」(読み)・・・
エイ
はな
ひい(でる)

●「英」(意味)・・・
美しい。
英(ひい)でている。優(すぐ)れている。

 
●「英」(漢字の成り立ち)・・・

「艸」:「並び生えている草」の形.
「央」:「首かせを付けられた人」の形.

上記の漢字の成り立ちに関係なく,同音の「景(エイ)」と同じ意味の「高まる光」という意味を持つようになった。

(意味)「光り輝く花」

(意味)「美しい。」
(意味)「英(ひい)でている。優(すぐ)れている。」

 
●「風」(部首)・・・
風(かぜ)

●「風」(読み)・・・
フウ
かぜ
すがた

●「風」(意味)・・・
風。空気の流れ。
姿。様子。有様。
世の中の動き。

 
●「風」(漢字の成り立ち)・・・

「風を孕(はら)む帆(ホ)」の形 +
「風雲に乗る龍(たつ)」の形

①(意味)「風」→(転じて)→(意味)「空気の流れ」
②(意味)「姿」→(転じて)→(意味)「様子」「有様」
→(転じて)→(意味)「世の中の動き」

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)61

{ ポイント }
天武天皇は民衆に良き風習を奨励した。

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●原文
以奬俗
【●ゲンブン
イ ショウ ゾク】

●書き下し文
以て俗を奬め
【●かきくだしブン
もて ならはし を すすめ】

●訳
良き慣習や良き風俗を奨励し、
(慣習:普段の生活に密着した決まり事.
風俗:普段の生活に密着していない,古くから存在する行事,決まり事,行為.)

●古事記傳(本居宣長)より
以奨俗
以て俗を奨め
奨レ俗(俗ヲ奨メ)とは、勤め導きて風俗をよくなすをいふ。
【●ふることふみ つたへ(もとおり のりなが)より
イ ショウ ゾク
もて ゾク を すすめ
ショウ ゾク (ゾク を すすめ) とは、つとめ みちびき て フウゾク を よく なす を いふ】

●解説
外来文化を重んじた天智天皇と暗に比較して、
伝統文化を重んじた天武天皇を褒(ほ)め称えている。

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《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)60

~現代言葉~

{ キーフレーズ }
神の道

●原文
設神理
【セツ シン リ】

●書き下し文
神の理を設け
【かみ の ことわり を もうけ】

●訳
神がつけた理道を(神の教えを)、言葉に纏めたり、それを象徴する物を作り、
【かみ が つけた すじみち を (かみ の おしえ を) 、ことば に まとめ たり、それ を しょうちょう する もの を つくり】

●古事記伝より
設神-理
神理を設け
神理は神妙の道理なり。
(神妙・・・
人知、人力を超えた不可思議な現象。神の道。

●解説
・理・・・
何者かが理(すじ)をつけた道。
・神の理・・・
神が理(すじ)をつけた道。

●言葉の意味
・理(読み)・・・
① おさ(める)
② ことわり
③ すじ
④ リ
・理(意味)・・・
① おさめる。整える。磨(みが)く。
② 理(ことわり)。理道(すじみち)。道。道理。
③ 理(すじ)。模様。
・設(読み)・・・
もう(ける)
セツ
・設(意味)・・・
もうける。作る。
もうける。整える。

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~大和言(やまとこと)~

{ 手掛かり言葉 }
神の道
【 { てかかり ことは }
かみ の みち】

●原文
設神理
【●もとあや
セツ シン リ】

●書き下し
神の理お設ひ
【●かきくたし
かみ の ことはり お もひ】
(「設ひ」:ハ行四段活用「もふ」の連用形)

●訳き
神のつけし理道お (神の教お)
言に纏め
或は其お表す物お作り
【●とき
かみ の つけ し すちみち お (かみ の をしゑ お)
こと に まとめ
あるひは そ お あらはす もの お つくり】

●説き
・理・・・
何者かか理おつけし道
・神の理・・・
神か理おつけし道
【●とき
・ことはり・・・
なにもの か か すち お つけ し みち
・かみ の ことはり・・・
かみ か すち お つけ し みち】
(つけ:カ行下二段活用の他動詞「つく」の連用形
し:過去の助動詞「き」の連体形.直前語は連用形.)

●言の意
・理(読み)・・・
一 をさ(む)
二 ことはり
三 すち
四 リ
・理(意)・・・
一 理む.整ふ.磨く.
二 理.理道.道.
三 理.綾.
【●こと の こころ
・理(よみ)・・・
一 をさ(む)
二 ことはり
三 すち
四 リ
・理(こころ)・・・
一 をさむ.ととなふ.みかく.
二 ことはり.すちみち.みち.
三 すち.あや.】
(綾:模様)
・設(読み)・・・
も(ふ)
セツ
・設(意)・・・
一 設ふ.作る.
二 設ふ.整ふ.
【・設(よみ)・・・
も(ふ)
セツ
・設(こころ)・・・
一 もふ.つくる.
二 もふ.ととなふ.】

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《参考文献等》
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古事記(ふることふみ)59

{ キーワード }
五行

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●原文
齊五行之序
【セイ ゴ ギョウ シ ジョ】

●原文(現代字体)
斉五行之序
【セイ ゴ ギョウ シ ジョ】

●書き下し文
五行の序でを齊へり。
【ごぎょう の ついで を ととのへ り】

●書き下し文(現代字体)
五行の序でを斉へり。
【ごぎょう の ついで を ととのへ り】

●訳(と)き
五行の順序を齊へた。
【ごぎょう の じゅんじょ を ととのへ た】

●説(と)き
・五行・・・
木火土金水により 世 成り立てりとする考へ。
【もくかどこんすい に より よ なりたて り と する かんがへ】
(「り」: 完了の意(こころ))

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●言葉の意味
・序(部首)・・・
广
まだれ
・序(読み)・・・
ジョ
つい(で),はしがき,まなびや
・序(意(こころ))・・・
順番。順序。
序文。始めに書く短い文章。
まなびや。古代中国の学校。
・齊(部首)・・・

せい
・齊(読み)・・・
セイ,サイ
ととの(へる),ひと(しひ),ものいみ
・齊(意(こころ))・・・
整へる。等しくする。
等しひ。
ものいみ。身心(みこころ)を清めること。

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《参考文献等》
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古事記(ふることふみ)58

{ キーワード }
陰陽(いんよう)

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( 正字体・大和言葉の歴史的仮名遣いと
[現代字体・現代仮名遣い]を併記 )

●原文
乘二氣之正
【ジョウ ニ キ シ セイ】

●原文(現代字体・現代仮名遣い)
乗二気之正
【ジョウ ニ キ シ セイ】

●書き下し文
二氣のを正しきに乘り、
【ふたいき の ただしき に のり】

●書き下し文(現代字体・現代仮名遣い)
二気の正しきに乗り、
【ふたいき の ただしき に のり】

●訳
陰陽の正しい流れに乗り、
【いんよう の ただしい ながれ に のり】

●解説
・二気・・・
陰と陽。

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《参考文献等》
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古事記(ふることふみ)57

{キーフレーズ}
日本(やまと)の統一

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( 正字体・大和言葉の歴史的仮名遣いと
[現代字体・現代仮名遣い]を併記 )

●原文
包八荒
【ほう はっ こう】

●原文(現代字体・現代仮名遣い)
(同上)

●書き下し文
八もの荒まりを包ねたまひき。
【やも の きはまり を かねたまひき】

●書き下し文(現代字体・現代仮名遣い)
八もの荒まりを包ねたまいき。
【やも の きわまり を かねたまいき】

●訳
国の隅々まで統べられた。
【くに の すみずみ まで すべられた】

●解説
・八荒・・・
国の八方の荒れ果てたところ。国の隅々。

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古事記(ふることふみ)56

【キーワード】
あめ(天)

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( 正字体・大和言葉の歴史的仮名遣いと
[現代字体・現代仮名遣い]を併記 )

 
●原文

得(とく)天(てん)統(とう)而(じ)

【得天統而】

 
●原文(現代字体・現代仮名遣い)

(同上)

 
●書き下し文

天(あめ)の統(すじ)を得(え)て、

【天の統を得て、】

 
●書き下し文(現代字体・現代仮名遣い)

(同上)

 
●ふることとき(古語訳き)

くらゐ(位)につ(即)き、

[いまこととき(今語訳き)] 天皇(すめらき)の位(くらい)に即(つ)いて、

 
【 ●古言訳き

くらゐにつき、

[今言訳き] 天皇の位に即いて、 】

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●「あめ(天)」のこころ(意)・・・

[ふること(古言)] あめ(天)のうへ(上)のさかひ(境)。

[いまこと(今言)] 天(あめ)の上(うえ)の界(さかい)。

【 ●「あめ」のこころ・・・

[ふること] あめのうへのさかひ。

[いまこと] 天の上の界。 】

 
●あまつひつぎ(天津日嗣)・・・

天皇(すめらき)の位(くらゐ )を嗣(つ)ぐを云(い)ふ。

【 ●あまつひつぎ・・・

すめらきのくらゐをつぐをいふ。 】

 
●ふること(古言)「すめらき」(なことは(名詞) )にあ(当)つるからしるし(漢記)・・・

皇(すめらき)

【 ●ふること「すめらき」(なことは)にあつるからしるし・・・

皇(すめらき) 】

 
●ふること(古言)「すめる」(うごきことは(動詞) )にあ(当)つるからしるし(漢記)・・・

統(す)める,総(す)める

【 ●ふること「すめる」(うごきことは)にあつるからしるし・・・

統(す)める,総(す)める 】

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●「す」のおとたま(音霊)・・・

ひとかた(一方)にすす(進)む。

[いまこと(今言)] 一(ひと)つの方向(ほうこう)へ進(すす)む。

【●「す」のおとたま・・・

ひとかたにすすむ。

[いまこと] 一つの方向へ進む。】

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
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