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孫子(そんし)15

【キーワード】
賞罰

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文
賞罰孰明
シヤウ バツ ジユク メイ
[ 賞罰孰明
ショウ バツ ジュク メイ ]

●書き下し文
賞罰、孰れか明らかなると。
しやうばつ いづれか あきらか なる と
[ 賞罰、孰れか明らかなると。
しょうばつ いずれか あきらか なる と ]

●訳
賞罰は何方が公正に行はれているか。
しやうばつ は どちら が こうせい に おこなはれて いる か
[ 賞罰はどちらが公正に行われているか。
しょうばつ は どちら が こうせい に おこなわれて いる か ]

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●原文
吾以此知勝負矣
ゴ イ シ チ シヨウ ブ イ
[ 吾以此知勝負矣
ゴ イ シ チ ショウ ブ イ]

●書き下し文
吾れ此れを以て勝負を知る。
われ これ を もつて しようぶ を しる
[ 吾れ此れを以て勝負を知る。
われ これ を もって しょうぶ を しる]

●訳
私は、此等の条件により、戦ふ前から、何方が勝つかが分かる。
わたし は これら の でうけん に より たたかふ まえ から いづれか が かつ か が わかる
[ 私は、これらの条件により、戦う前から、どちらが勝つかが分かる。 ]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

無量義経(むりょうぎきょう)17

[キーワード]
菩薩の性質

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

無量義經德行品第一
むりやう ぎきやう とくぎやうほん だいいち
[ 無量義経徳行品第一
むりょうぎきょう とくぎょうほん だいいち ]

●原文
顚倒亂想 不復得入
てん だう らん さう ふ ぶ とく にふ
[ 顛倒乱想 不復得入
てん どう らん そう ふ ぶ とく にゅう ]

●書き下し文
顚倒亂想、復入ることを得ず。
てんだう らんさう また いる こと を え ず
[ 顛倒乱想、また入ることを得ず。
てんどう らんそう また いる こと を え ず ]

●訳
眞理に反する考へはなく、想ひが亂れることもない。
[ 真理に反する考えはなく、想いが乱れることもない。]

●解説
・顚倒(てんだう)
煩惱が有る爲に、眞理に反する考へを持つこと。
[・顛倒(てんどう)
煩悩があるために、真理に反する考えをもつこと。]

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●原文
靜寂淸澄 志玄虛漠
じやう ぢやく しやう ちやう し げん こ まく
[ 静寂清澄志玄虚漠
じょう じゃく しょう ちょう し げん こ まく ]

●書き下し文
靜寂淸澄に志玄虛漠なり。
じやう じやく しやう ちやう に し げん こ まく なり
[ 静寂清澄に志玄虚漠なり。
じょう じゃく しょう ちょう に し げん こ まく なり ]

●訳
心は靜寂で淸く澄み、考へることは奥深く無限である。
[ 心は静寂で清く澄み、考えることは奥深く無限である。]

●解説
・玄・・・
奥深い。
・虛[ 虚 ]・・・
何もない。
・漠
果てしなく広い。

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≪参考文献≫
・三木随法 (2002)『真訓対照 法華三部経』東方出版
・白川静 (2003)『常用字解』平凡社

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 13

[キーフレーズ]
意気消沈する藤壺女御

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●原文
下りさせたまひにしかば
(おり させ たまひ に しか ば)

●訳
(朱雀帝は、)御譲位(ごじょうい)なさってしまわれたので、

●言葉の意味
・「下(お)る」・・・
「退位する」
・「さす」・・・
尊敬の意味をもつ助動詞。
「~なさる」「~あそばす」「お~になられる」
・給(たま)ひ・・・
尊敬の意味をもつ補助動詞「給ふ」の連用形。動詞や助動詞の後に付く。
「お~なさる」
・「に」・・・
完了の意味をもつ助動詞「ぬ」の連用形。
・「しか」・・・
過去の意味をもつ助動詞「き」の已然形。
・已然形・・・
「已(すで)に然(しか)るべき状態」(既にそうなっている状態)を表すことから已然形という。
<例> 「行けども」(「行け」が已然形)→「行ったので」
・「ば」・・・
原因・理由の意味をもつ接続助詞。未然形、已然形に付く。
「~ので」

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●原文
かひなく口惜しくて
(かひなく くちをしくて)

●訳
(朱雀帝が退位なされたため、藤壺女御は、)入内(じゅだい)した甲斐もなく、がっかりして

●言葉の意味
・「口惜し(くちをし)」・・・
「朽ち惜し」が語源。価値ある物が朽ち果てた時に、「失いたくない」と感じ、残念がる気持ち。
室町時代以降、「くやし」(「腹立たしい」の意)との混合が始まった。

●解説
・入内(じゅだい)・・・
女御(にようご)・中宮・皇后に決まった人が、正式に内裏(だいり)に入ること。

●その他
・助動詞の「き」と「けり」・・・
「き」は、実際に体験した過去。直接体験。「~した」。
「けり」は、他人から聞いた過去。間接体験。「~したそうだ」。

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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文花【あやはな】(文学)

古今集 色見えでうつろふものは

[キーワード]
うつろひ

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色見えで うつろふものは 世の中の
人の心の 花にぞありける

小野小町(おののこまち)

古今集 戀五 七九七

 
いろみえで うつろふものは よのなかの
ひとのこころの はなにぞありける

 
<漢字加へ>
色見えで 移ろふものは 世の中の
人の心の 花にぞ有りける

 
<直訳>
色が見えなゐで移ろふものは、世の中の人の心といふ花であつたのだなぁ…

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<意訳 1>
花も人の心も移ろふものだ。それが目に見えるか見えなゐかだけのはなしだ。
それを今更ながらに気づゐた…

 
<意訳 2>
花の移ろひは目に見える
目に見えず移ろひゆくのが人心ひとごころ

 
<意訳 3>
はなうつろひは見ゆれども
うらうつろひは見えぬものにや

花移ろひは見ゆれどもうら移ろひは見えぬものにや

花移ろひは目には見えるが、うら移ろひは見えないものか…

 
≪参考文献≫
・佐伯梅友(校注)(1981)『古今和歌集』岩波書店

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≪今日の言葉≫
「立志は特異を尚ぶ、俗流と與に議し難し」
(りつし は とくい を たふとぶ ぞくりう と とも に ぎし がたし)
吉田松陰

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)51

[キーフレーズ]
舞(ま)いと歌(うた)詠(よ)み

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
巻旌戢戈

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
旌を巻き戈を戢(をさ)め

●原文 2
卷旌戢戈
クワン シヤウ シユウ クワ
[ 巻旌戢戈
カン ショウ シュウ カ ]

●書き下し文 2
旌を卷き戈を戢め
はた を まき ほこ を をさめ
[ 旌を巻き戈を戢め
はた を まき ほこ を おさめ ]

●訳 1
旗を巻き、戈(ほこ)を収めて、

●訳 2
軍旗を巻き、武器を片づけて、

●言葉の意味
・卷[ 巻 ](読み)・・・
クワン
まき,ま(く)
[ カン
まき,ま(く) ]
・旌(読み)・・・
シヤウ,セイ
あらは(す),はた
[ ショウ,セイ
あらわ(す),はた ]
・戢(読み)・・・
シユウ
をさ(める),あつ(める)
[ シュウ
おさ(める),あつ(める) ]
・戈(読み)・・・
クワ
いくさ,ほこ
[ カ
いくさ,ほこ ]

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●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
儛-詠停於都-邑

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
儛詠して都邑に停(とま)りたまふ。

●原文 2
儛詠停於都邑
ブ エイ テイ ヨ ト イウ
[ 儛詠停於都邑
ブ エイ テイ ヨ ト ユウ ]

●書き下し文 2
舞詠して都邑に停まりたまひき。
ぶえい して という に とどまり たまひ き
[ 舞詠して都邑に停まりたまいき。
ぶえい して とゆう に とどまり たまい き ]

●書き下し文 3
舞ひ詠ひて都邑に停まりたまひき。
まひ うたひ て という に とどまり たまひ き
[ 舞い詠いて都邑に停まりたまいき。
まい うたい て とゆう に とどまり たまい き ]

●訳 1
踊り歌い、都に滞留された。

●訳 2
戦勝を祝して舞を踊り、歌を詠んだ。そして飛鳥の都に留(とど)まられた。

●訳 3
大海人皇子(おおあまのみこ)は飛鳥の都に凱旋(がいせん)され、舞を踊り、歌を詠まれた。

●言葉の意味
・儛[ 舞 ](読み)・・・
ブ,ム
ま(ふ)、まひ、もてあそ(ぶ)
[ ブ,ム
ま(う)、まい、もてあそ(ぶ) ]
・詠(読み)・・・
エイ
よ(む) ,うた(ふ)
[ エイ
よ(む),うた(う)]
・停(読み)・・・
テイ
とど(まる),と(まる)
[ テイ
とど(まる),と(まる) ]
・於(読み)・・・
ヲ,ヨ
を(ひて)
[ オ,ヨ
お(いて) ]
・都(読み)・・・
ト,ツ
みやこ
[ ト,ツ
みやこ ]
・邑(読み)・・・
ワウ,イウ
くに,みやこ,むら
[ オウ,ユウ
くに,みやこ,むら ]

●解説
都邑・・・
都(みやこ)。ここでは飛鳥の都を指す。

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《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/18)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/4/18)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第135回)

(アクセス日:2017/4/18)

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)9

【キーフレーズ】
多くの衆生

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
めうほうれんげきやうくわんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじふご
[妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじゅうご]

●原文
若有百千萬億眾生
にやく う ひやく せん まん のく しゆ じやう
[ 若有百千万億衆生
にゃく う ひゃく せん まん のく しゅ じょう ]

●書き下し文
若し百千萬億の眾生有りて
もし ひやくせんまんおく の しゆじやう ありて
[ 若し百千万億の衆生有りて
もし ひゃくせんまんおく の しゅじょう ありて ]

●訳
若し、沢山の衆生がいて、

●言葉の意味
・若(読み)・・・
ニヤク,ジヤク
わか(ひ),も(し)
[ ニャク,ジャク
わか(い),も(し) ]
・有(読み)・・・
イウ,ウ
あ(る)
[ ユウ,ウ
あ(る) ]
・眾[ 衆 ](読み)・・・
シユウ,シユ
おほ(い)
[ シュウ,シュ
おお(い) ]

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●観音経について

・『妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五』。別名、『観音経』。

・観音経は響きが美しく、意味も分かりやすい。

・不思議な逸話が多い、霊験あらたかな御経(おきょう)。

・観音様について書かれているお経の中で、最も古く、最も有名な御経。

・『妙法蓮華経』28品の中でも、特に重要な御経。

・全ての御経の中で、一番親しまれているのが『般若心経』で、二番目が『観音経』。

・『般若心経』は262文字で、『観音経』が2062文字。

・観音様は男でも女でもなく、中性だと云われている。

 
●その他
仏教では通常、漢字の読みは呉音が使われる。

 
≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店

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《今日の言葉》
「先臨終の事を習うて後に他事を習うべし」
(まず りんじゅう の こと を ならうて のち に たじ を ならうべし)
日蓮

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

現代諸学と仏法 2

〈キーワード〉
観心

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●本文
己心(こしん)を観じて、十法界を見る。そして仏界を得る。
これが観心(かんじん)である。

 
●解説

・観心(かんじん)・・・
心を観ずる。
己の心を観ずる。

・観心(かんじん)の目的は究極の心的境地を得ること。

●本文
信心を以て観心とするのが下種(げしゅ)仏法。
しかし、「信心しました」、「だけど反省はしません」という下種仏法では、己心に十法界は見えない。
それは、観心とは言えない。信心とも言えない。

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●解説

・信心
信ずること。

・下種・・・
・成仏のための種を下すこと。
・仏種を下すこと。

・成仏 = 仏界を得ること = 究極の心的境地を得ること
・種 = 原因
・種(たね)を下す = 種を植え付ける = 縁を結ぶ = 結縁(けちえん)する

・「観心」する唯一の道は、「反省」して、「自覚」をすることである。
・「反省」と「自覚」を通して、「観心」(己の心の本性を観察)し、「真実を明らか」にする。そして、究極の心的境地を得る。

 
《参考文献等》
・石田次男, 本橋雅史(1986)『現代諸学と仏法』日経企画出版局
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/15)

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《今日の言葉》
「幸せの基盤は寝ること」

 
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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし) 14

【キーフレーズ】
強と錬

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

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●原文
兵眾孰強
ヘイ シユウ ジユク キヤウ
[ 兵衆孰強
ヘイ シュウ ジュク キョウ ]

●書き下し文
兵眾、孰れか強き、
へいしゆう いづれか つよき
[ 兵衆、孰れか強き、
へいしゅう いずれか つよき ]

●訳
兵士はどちらの方が強いか、

●言葉の意味
・兵(読み)・・・
ヘイ,ヒヤウ
つはもの
[ ヘイ,ヒョウ
つわもの ]
・眾[ 衆 ](読み)・・・
シユウ,シユ
おほ(い)
[ シュウ,シュ
おお(い) ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・強(読み)・・・
キヤウ,ガウ
つよ(ひ)
[ キョウ,ゴウ
つよ(い) ]

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●原文
士卒孰練
シ ソツ ジユク レン
[ 士卒孰練
シ ソツ ジュク レン ]

●書き下し文 1
士卒、孰れか練れたる、
しそつ いづれか ねれたる
[ 士卒、孰れか練れたる、
しそつ いずれか ねれたる ]

●書き下し文 2
士卒、孰か練す、
しそつ いづれか れんす
[ 士卒、孰か練す、
しそつ いずれか れんす ]

●訳
兵士はどちらがよく訓練されているか、

●言葉の意味
・士(読み)・・・

さむらひ
[ シ
さむらい ]
・卒(読み)・・・
ソツ
つひ(に)
[ ソツ
つい(に) ]
・練(読み)・・・
レン
ね(る)
[ レン
ね(る) ]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 50

[キーフレーズ]
大海人皇子軍の帰国

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
愷-悌帰於華夏

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
愷悌して華夏に帰り

●原文 2
愷悌歸於華夏
グワイ テイ キ ヨ クワ クワ
[ 愷悌帰於華夏
ガイ テイ キ ヨ カ カ ]

●書き下し文 2
愷悌して華夏に歸り、
ぐわいてい して くわくわ に かへり
[ 愷悌して華夏に帰り、
がいてい して かか に かえり ]

●訳 1
大海人皇子軍は飛鳥(あすか)に凱旋(がいせん)し、

●訳 2
戦(いくさ)が終わり、緊張感も解けて安堵した気持ちになり、大和国(やまとのくに)に帰り、

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●言葉の意味
・愷(読み)・・・
クワイ,グワイ
やす(らか),たの(しむ)
[ カイ,ガイ
やす(らか),たの(しむ) ]
・悌(読み)・・・
ダイ,テイ
・歸[ 帰 ](読み)・・・

かへ(る)
[ キ
かえ(る) ]
・於(読み)・・・
ヲ,ヨ
を(ひて)
[ オ,ヨ
お(いて) ]
・華(読み)・・・
クワ,ケ
はな
[ カ,ケ
はな ]
・夏(読み)・・・
クワ,ゲ
なつ
[ カ,ゲ
なつ ]

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●用語の意味
・愷悌・・・
穏やかで安らいでいるさま。
・華夏・・・
①唐土(もろこし)。
②都。

●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
乃放牛息馬。愷-悌帰於華夏。
・乃(すなは)ち牛を放ち馬を息(いこ)へ。愷悌して華夏に帰り。
放牛息馬とは、から國の周ノ武王が紂に勝(カチ)て後に、馬を崋山の南に帰(カヘ)し、牛を桃林の野に放チて、再服(フタゝビツカ)はぬことをしらせし故事(フルコト)なり。
(意訳:
「放牛息馬」とは、周の武王が紂に勝利した後、馬を崋山の南方に帰し、牛を桃林の野に放って、二度と使わないことを民に知らせた故事からきている。)

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/15)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/4/15)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第135回)

(アクセス日:2017/4/15)

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 12

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

[キーフレーズ]
藤壺女御のストレス

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●原文
気圧されて、
(けおされて)

●訳
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)は、圧倒されて、

●原文
帝も御心のうちに、
(みかど も みこころ の うち に)

●訳
朱雀院も心の中で、

●原文
いとほしきものには思ひ聞こえさせ給ひながら、
(いとほしきものには おもひ きこえさせ たまひ ながら)
[いとおしきものには おもい きこえさせ たまい ながら]

●訳 1
気の毒に思(おぼ)し召(め)しながらも、

●訳 2
気の毒なものには思い申し上げながらも、

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●解説
・藤壺女御(ふじつぼのにょうご)・・・
朱雀帝(すざくてい)の女御(にょうご)。
女三の宮(おんなさんのみや)の母。
先帝(桐壺帝のもう一つ前の帝)の皇女(おうじょ)。
朱雀帝が皇子(おうじ)時代に内裏(だいり)に入る。
本来は、中宮(天皇の后)という高位になってもよい身分だったが、有力な後ろ盾(うしろだて)がいなかったために、宮中での地位が脆(もろ)いものになってしまった。
母方のほうの系譜の上でも、有力者はいなかった。母親の身分も更衣(女御より一段低い位)だった。
これらの諸事情から、宮中づきあいも心細かった。
また、姑(しゅうとめ)である弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)が、朧月夜を内裏に入れた。
そして、弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)は朧月夜だけを贔屓(ひいき)にした。
つまり、父方の後見人・母方の血筋・母方の後見人・交際下手(べた)・宮中での待遇という諸々(もろもろ)の理由により、藤壺女御は、宮中生活に精神的圧迫感を感じていた。
そのような事情により、朱雀院は藤壺女御のことを気の毒に思わずにはいられなかった。

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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