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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

無量義経(むりょうぎきょう)19

【キーフレーズ】
真(まこと)を暁(さと)る

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(正字体・大和言葉の歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

無量義經德行品第一
むりょうぎきょう とくぎょうほん だいいち
[ 無量義経徳行品第一 ]

●原文
得大智慧 通達諸法
とくだいちえ つうだつしょほう
[ 得大智慧 通達諸法 ]

●書き下し文
大智慧を得て諸法を通達し、
だいちえ を えて しょほう を つうだつし
[ 大智慧を得て諸法を通達し、
だいちえ を えて しょほう を つうだつし ]

●訳 1
大きな智慧を得て、諸々の教えに通達(つうたつ)し、

●訳 2
物事をありのままに受け止め、真(まこと)の理(ことわり)を見極める大きな智(ちえ)を得て、諸々の物事や教えを解(わか)っており、

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●原文
曉了分別 性相眞實
ぎょうりょうふんべつ しょうそうしんじつ
[ 暁了分別 性相真実 ]

●書き下し文
性相の眞實を曉了し分別するに、
しょうそう の しんじつ を ぎょうりょうし ふんべつする に
[ 性相の真実を暁了し分別するに、
しょうそう の しんじつ を ぎょうりょうし ふんべつする に ]

●訳 1
性相の真実を暁(さと)り、分析し、

●訳 2
存在の二面という真(まこと)なるものを見通し、見分け、

●訳 3
無分別、分別を行ったり来たりし、

●解説
・諸法(しょほう)
諸々の物事や教え。
・性相(しょうそう)・・・
性(しょう)と相(そう)。存在の二面。諸法の二面。
・性(しょう)・・・
本体。万物の本体。
・相(そう)・・・
現象。現象として現れる姿。
・分別(ふんべつ)・・・
分析。分けて考えること。
・空(くう)の考え方 1・・・
分別をせずに、無分別(むふんべつ)による観察を行う。
・空の考え方 2・・・
まず、物事を分別する。→ 次に、無分別による観察を行い、真(まこと)を観(み)る。→ 分別を無分別の智によって観る。

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≪参考文献≫
・三木随法 (2002)『真訓対照 法華三部経』東方出版
・白川静 (2003)『常用字解』平凡社

 
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歷し史【へしふみ】(歴史)

文武天皇 1

【キーセンテンス】
「天皇」が先で「日本」が後

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●第42代文武(もんむ)天皇の略歴

名は軽皇子(かるのみこ)。
草壁皇子(くさかべのみこ)の第一皇子。
母は元明天皇。

689年(持統3)7歳のとき皇太子であった父の草壁皇子と死別。
祖母の持統天皇の庇護のもとで育てられた。

697年(文武1)、持統天皇譲位により即位。
( 702年(大宝2)までは、祖母の持統太上(じとうだじょう)天皇が文武の政治を助けた )

701年(大宝1)、大宝律令が制定された。

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●第42代文武天皇に関する重要事項

701年に「大宝律令」という独自の法律を作った。

「日本」という独自の国号を作った。

「天皇」という称号は、第40代天武天皇が初めて使った。
つまり、「天皇」が先で、「日本」が後。

 
≪参考文献≫
・竹内睦泰 (2016)『古事記の宇宙』青林堂
・渡部昇一 (2011)『決定版・日本史』扶桑社
・井沢元彦 (1997)『逆説の日本史〈1〉古代黎明編』小学館

 
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言の葉【ことのは】

連体形と終止形(古典文法)3

【キーフレーズ】
「らむ」「けむ」「む」

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「らむ」「けむ」「む」の終止形と連体形の見分け方
 

「らむ」「けむ」「む」は、終止形と連体形が同じ。

 
●終止形
① そこで文が終わっていたら「終止形」。
② そこで文が終わっていなくとも、後に助詞「と」「とて」「など」がある時は「終止形」。

①(例)
心細しと思ふらむ。

②(例)
おどろかさんずらむと待ちゐたるに~
→ 助詞「と」が接続するので、助動詞「らむ」は終止形。

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●連体形
①そこで文が終わっていても、「ぞ・なむ・や・か」を受けて文を結ぶときは「連体形」(係り結びの法則)。
②格助詞「の・が」を付けた主語を受けて述語になるときは「連体形」。和歌に多い。
③伝聞の「~とかいう」という意味になるときは「連体形」。後ろに体言が省略されていることが多い。

②(例)
しづ心なく花の散るらむ。
→ 「の」を付けた「花」(主語)を受けて述語になる「らむ」であるから、「らむ」は連体形。
ここでは、「どうして~なのだろう」という意味の、原因推量の助動詞「らむ」の連体形。

③(例)
選りてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。
→「選んでこの木だけに留まるという言い伝えにもあるように、他の花とは、まるで違うのだ」
上の例では、訳してみて、「~という」の後ろに「話」「言い伝え」などの体言を付けて意味が通る。

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≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
連体形と終止形(古典文法)1
連体形と終止形(古典文法)2
「連体形」(古典文法)

 
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言の葉【ことのは】

連体形と終止形(古典文法)2

【キーワード】
「ぞ・なむ・や・か」

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① 後ろに名詞が来る場合「連体形」
② そこで文が終わっていたら「終止形」。
③ そこで文が終わっていても、「ぞ・なむ・や・か」に続く言葉は、「連体形」(係り結びの法則)。

①(例)
変はりたまへるところもなく~
→「る」は完了の助動詞「り」の連体形。
後ろに「ところ」(名詞)とある。

②(例)
少しも働らかず。
→「ず」は打消「ず」の終止形。

③(例)
いづれの舟にか乗らるべき。
→「べき」は、文末に来ているが、係り結びの法則から連体形。

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≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
連体形と終止形(古典文法)1
連体形と終止形(古典文法)3
「連体形」(古典文法)

 
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言の葉【ことのは】

連体形と終止形(古典文法)1

【キーワード】
「べし」「らし」「らむ」・「とも」「と」

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●連体形
① 体言(名詞・代名詞)につながる活用形。
② 後ろに「とき」「こと」などの体言を省略して用いている場合は連体形。
(後ろに「とき」「こと」などの名詞を補うことができる。)

①(例)
窓に吹く風ありて~
→「吹く」(動詞)は、「風」(名詞)に接続 → 連体形

②(例)
夏風の吹くはいぶせし。
→「吹く」(動詞)は、後ろに「とき」「こと」などの名詞を補うことができる。→ 連体形

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●終止形
① 文の終わりに用いる活用形。「。」に接続している。
後ろに「とき」「こと」など名詞を補うと不自然。
②「べし」「らし」「らむ」などの助動詞が接続する場合は終止形。
③ 「とも」「と」などの助詞が接続する場合は終止形。

①(例)
庭に風吹く。
→「吹く」(動詞)は「。」に接続 → 終止形

②(例)
風吹くらむ。

③(例)
風吹くと知る。

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≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
連体形と終止形(古典文法)2
連体形と終止形(古典文法)3
「連体形」(古典文法)

 
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歷し史【へしふみ】(歴史)

持統天皇 1

なぜ持統天皇は天皇になったのか?

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夫は天武天皇。
持統天皇は、天皇になる資格はあったが、なる気はなかった。

では、なぜ天皇になったのか?

これは、推古天皇が天皇になった経緯と関わりがある。

推古天皇は、自分の息子を天皇にしたかった。
息子の竹田皇子(たけだのみこ)がある程度成長したら、位を譲るつもりで、天皇になった。

ちなみに、皇極天皇、斉明天皇は、天智天皇が天皇になれない理由があった(神道における祝詞の中に記されている罪を犯していた)ために、天皇にならざるを得なかった。

持統天皇は天武天皇との間に草壁皇子(くさかべのみこ)という息子がいた。
この息子を天皇にしたかった。
そして、ライバルの大津皇子(おおつのみこ) を謀反の疑いをかけて殺した。
しかし、草壁皇子は病いで亡くなった。
それで、草壁皇子の孫が大人になるまで持統天皇は中継(なかつ)ぎとして天皇をした。
初めて太上(だじょう)天皇になった。
つまり、太上天皇の例が持統天皇でつくられた。
しかも女帝でつくられた。

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≪参考文献≫
・竹内睦泰 (2016)『古事記の宇宙』青林堂
・渡部昇一 (2011)『決定版・日本史』扶桑社
・井沢元彦 (1997)『逆説の日本史〈1〉古代黎明編』小学館

 
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文花【あやはな】(文学)

好きな日本の古典

●古事記
日本の成り立ちがわかります。
神の代はおおらかです。

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●伊勢物語
NHKでやっていた「まんがで読む古典」は面白かったです。
『芥川』が好きです。

●古今集
流れるような言葉の調べ…
日本の心が詰まっています。

●大鏡
藤原氏には色々な人たちがいたことがわかって面白いです。
藤原氏にとって平安時代は平安ではなかったのです。

●徒然草
全編にわたって少しだけ笑える感じが好きです。
『丹波に出雲といふ所あり』が何度読んでも面白い!

●落窪物語
平安時代のシンデレラ!
田辺聖子さんの現代語訳が一番好きです。

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●平家物語
洗練された感じがいいです。
祇王の話が好きです。

●堤中納言物語
『虫愛づる姫君』がずば抜けてよく、描写や物語の設定もしっかりしていて、これだけでも読む価値があります。

●万葉集
何故か昔から好きでした。
豊かな情(こころ)、飾り気のない心に触れることができます。

 
≪参考文献≫
・蛇蔵(著),海野凪子(著)(2011)『日本人なら知っておきたい日本文学』幻冬舎

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≪今日の言葉≫
「書かざるをえないときのほかは書かない」
トルストイ

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな)15

【キーフレーズ】
朱雀院(すざくいん)と女三の宮(おんなさんのみや)

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●原文
あまたの御中に、
(あまた の おんなか に)

●原文に漢字を付加
数多の御中に、

●訳
多くの御子(みこ)たちの中で、

 
●原文
すぐれてかなしきものに思ひかしづききこえたまふ。

●原文に漢字を付加
勝れて愛しきものに思ひ傅き聞こえ給ふ。

●訳
朱雀院は、女三の宮(おんなさんのみや)を、とりわけ愛(いと)おしく可愛がっていらっしゃった。

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●解説
・すぐれて(勝れて)・・・
「取り分け(とりわけ)」「際立って(きわだって)」
副詞。
・かなし(愛し)・・・
「愛(いと)しい」「可愛(かわい)い」
形容詞。
・おもひかしづく(思ひ傅く)・・・
「心をこめて世話をする」
・きこえ(聞こえ)・・・
補助動詞ヤ行下二「聞こゆ」の連用形。謙譲語。作者または話者からの動作対象に向けてのうやまいのこころ
ここでは、作者から女三の宮(おんなさんのみや)(動作の対象)に向けてのうやまいのこころ
・たまふ(給ふ)・・・
補助動詞ハ行四段「給ふ」の終止形。尊敬語。作者または話者からの動作主に向けてのうやまいのこころ
ここでは、作者から朱雀院(動作主)に向けてのうやまいのこころ

●その他
・「御」のおとは、「おほみ、おほん、おん、お、み」のうち、より調しらべのおとった。
・地の文で用いられる敬語は、作者からのうやまいのこころ
会話文で用いられる敬語は、話者からのうやまいのこころ

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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文花【あやはな】(文学)

玉葉集 行きなやむ

【キーフレーズ】
変わらぬ夏

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行きなやむ 牛の歩みに 立つ塵の 
風さへ暑き 夏の小車

いきなやむ うしのあゆみに たつちりの
かぜさへあつき なつのをぐるま

 
藤原定家(ふじわら の さだいえ)

玉葉集(ぎょくようしゅう)

 
この暑さでは、小車(おぐるま)を引いている牛の歩みも遅くなる。そして足元から乾いた土埃(つちぼこり)が舞い上がる。その土埃(つちぼこり)を巻き上げる風さえも暑苦しい。

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・なやむ(悩む)・・・
困る。骨が折れる。
・ちり(塵)・・・
ほこり。
・をぐるま(小車)・・・
牛車(ぎっしゃ)。牛に引かせる乗用の屋形車(やかたぐるま)。

 
王朝美からはほど遠い歌ですが、定家の作風の多様性がわかる歌です。
夏には涼しさを歌にするのが当時の常(つね)でしたが、定家は夏の感触をそのまま歌にしました。

昔も今も夏は暑かった。
事に触れて動く情(こころ)も変わっていない…

 
≪参考文献≫
・次田香澄(校訂)(1989)『玉葉和歌集』岩波書店

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≪今日の言葉≫
「文学は肉声の絵画である。肉声に似ているほど、その文学はすぐれている」
ヴォルテール

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)11

★~ やさしい 観音経 ~★

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【キーフレーズ】
黒風と鬼

●原文
仮使黒風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ぼう

●書き下し文
仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとい こくふう その せんぼう を ふきて

●訳
たとえ、黒い風が現れ、その船を吹き流して、

●原文
飄堕羅刹鬼国
ひょう だ ら せつ き こく

●書き下し文
羅刹鬼の国に飄堕せんも、
らせつき の くに に ひょうだ せん も

●訳
(その船が)人食い鬼の国に流されたとしても、

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★~ まぜこぜ 観音経 ~★

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

【キーフレーズ】
黒風と鬼

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
めうほうれんげきやう くわんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじふご
[妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじゅうご]

●原文
假使黑風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ばう
[ 仮使黒風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ぼう ]

●書き下し文
仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとひ こくふう その せんばう を ふきて
[ 仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとい こくふう その せんぼう を ふきて]

●訳 1
たとえ、黒い風がその船を吹き流して、

●訳 2
たとえ、黒い風が現れ、その船を吹き流して、

●原文
飄墮羅剎鬼國
へう だ ら せつ き こく
[ 飄堕羅刹鬼国
ひょう だ ら せつ き こく ]

●書き下し文
羅剎鬼の國に飄墮せんも、
らせつき の くに に へうだ せん も
[ 羅刹鬼の国に飄堕せんも、
らせつき の くに に ひょうだ せん も ]

●訳 1
(その船が)人食い鬼の国に流されたとしても、

●訳 2
(黒風が船を)恐ろしい羅刹鬼の国に漂着させたとしても、

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≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店
・鎌田茂雄 (1991)『観音経講話』講談社

 
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