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文花【あやはな】(文学)

玉葉集 行きなやむ

【キーフレーズ】
変わらぬ夏

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行きなやむ 牛の歩みに 立つ塵の 
風さへ暑き 夏の小車

いきなやむ うしのあゆみに たつちりの
かぜさへあつき なつのをぐるま

 
藤原定家(ふじわら の さだいえ)

玉葉集(ぎょくようしゅう)

 
この暑さでは、小車(おぐるま)を引いている牛の歩みも遅くなる。そして足元から乾いた土埃(つちぼこり)が舞い上がる。その土埃(つちぼこり)を巻き上げる風さえも暑苦しい。

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・なやむ(悩む)・・・
困る。骨が折れる。
・ちり(塵)・・・
ほこり。
・をぐるま(小車)・・・
牛車(ぎっしゃ)。牛に引かせる乗用の屋形車(やかたぐるま)。

 
王朝美からはほど遠い歌ですが、定家の作風の多様性がわかる歌です。
夏には涼しさを歌にするのが当時の常(つね)でしたが、定家は夏の感触をそのまま歌にしました。

昔も今も夏は暑かった。
事に触れて動く情(こころ)も変わっていない…

 
≪参考文献≫
・次田香澄(校訂)(1989)『玉葉和歌集』岩波書店

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≪今日の言葉≫
「文学は肉声の絵画である。肉声に似ているほど、その文学はすぐれている」
ヴォルテール

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)11

★~ やさしい 観音経 ~★

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【キーフレーズ】
黒風と鬼

●原文
仮使黒風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ぼう

●書き下し文
仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとい こくふう その せんぼう を ふきて

●訳
たとえ、黒い風が現れ、その船を吹き流して、

●原文
飄堕羅刹鬼国
ひょう だ ら せつ き こく

●書き下し文
羅刹鬼の国に飄堕せんも、
らせつき の くに に ひょうだ せん も

●訳
(その船が)人食い鬼の国に流されたとしても、

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★~ まぜこぜ 観音経 ~★

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

【キーフレーズ】
黒風と鬼

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
めうほうれんげきやう くわんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじふご
[妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじゅうご]

●原文
假使黑風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ばう
[ 仮使黒風吹其船舫
け し こく ふう すい ご せん ぼう ]

●書き下し文
仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとひ こくふう その せんばう を ふきて
[ 仮使、黒風其の船舫を吹きて、
たとい こくふう その せんぼう を ふきて]

●訳 1
たとえ、黒い風がその船を吹き流して、

●訳 2
たとえ、黒い風が現れ、その船を吹き流して、

●原文
飄墮羅剎鬼國
へう だ ら せつ き こく
[ 飄堕羅刹鬼国
ひょう だ ら せつ き こく ]

●書き下し文
羅剎鬼の國に飄墮せんも、
らせつき の くに に へうだ せん も
[ 羅刹鬼の国に飄堕せんも、
らせつき の くに に ひょうだ せん も ]

●訳 1
(その船が)人食い鬼の国に流されたとしても、

●訳 2
(黒風が船を)恐ろしい羅刹鬼の国に漂着させたとしても、

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≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店
・鎌田茂雄 (1991)『観音経講話』講談社

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

現代諸学と仏法 4

【キーフレーズ】
無と有

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⚫︎本文

「仏法は反省自覚法である」と言うと、現代の新説の様に受け取られかねない。
仏法は論理的にも倫理的にもすべて反省自覚法。
己の心の「妙と法」を観ずること。
止観すること。

 
⚫︎解説

妙= 無、0、空、何もない、無分別、非論理
法=有、1、色、何かがある、分別、論理

無から有が生まれるにあらず。
無も有も同じもの。
人間の心が無とみるか有とみるかだけのこと。

真理は哲学や科学や客観的分析では到達できない。
真理は釈尊の教えを信じ、釈尊の境涯に近づくような行為が必要。
真理 = 死んだり生まれたりすることのない永遠の命。

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・観(かん)ずる・・・しっかりと集中して見る。対象と自己を同一化させる。
・観じている時、人はその対象そのものになっている。「観る」は、「見る」や「眺める」とは違う。
仏教成立以前は、「観」には「神と人の一体化」という意味が含まれていた。

・止観・・・
「止」と「観」を合わせた語。
止とは精神を一つの対象に集中し、心が静まった有様(ありさま)。
止は観の準備段階。
観は対象をあるがままに観察すること。
止観をすれば、智慧の働きによって、真理を感得する(一切を明らかにする)ことができる。

 
《参考文献等》
・石田次男, 本橋雅史(1986)『現代諸学と仏法』日経企画出版局
・中村元(翻訳)(1958)『ブッダのことば―スッタニパータ』岩波書店
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/5/3)

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《今日の言葉》
「世の中の良きもしきもことごとに神の心の仕業しわざにぞある」
本居宣長

 
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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし)16

★~ やさしい 孫子 ~★

【キーフレーズ】
将軍の条件

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●原文
将聴吾計 用之必勝 留之

●書き下し文
将、吾が計を聴かば、之を用うれば必ず勝つ、これを留めん。
しょう わが けい を きか ば、これ を もちうれば かならず かつ、これ を とどめん。

●訳 1
全軍を任せる将軍が、以上の私の計略を聴き入れるならば、この将軍を用いれば必ず勝つ。この将軍を任に留めるべきである。

●訳 2
全軍を任せる将軍が、私の述べる戦略・戦術を理解し受け入れるならば、この将軍を登用すれば、必ず戦いに勝つ。この将軍を解任させてはいけない。

 
●原文
将不聴吾計 用之必敗 去之

●書き下し文
将、吾が計を聴かざれば、之を用うれば必ず敗る、これを去らん。
しょう、わが けい を きかざれば、これ を もちうれ ば かならず やぶる、これ を さら ん。

●訳
全軍を任せている将軍が、私の計略を聴き入れないならば、この将軍を用いれば必ず敗れる。この将軍を解任すべきである。

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★~ まぜこぜ 孫子 ~★

【キーフレーズ】
将軍の条件

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文
將聽吾計 用之必勝 留之
シヤウ チヤウ ゴ ケイ ヨウ シ ヒツ シヤウ リウ シ
[ 将聴吾計 用之必勝 留之
ショウ チョウ ゴ ケイ ヨウ シ ヒツ ショウ リュウ シ ]

●書き下し文
將、吾が計を聽かば、之を用ふれば必ず勝つ、これを留めん。
しやう わが けい を きか ば、これ を もちふれ ば かならず かつ、これ を とどめん。
[ 将、吾が計を聴かば、之を用うれば必ず勝つ、これを留めん。
しょう わが けい を きか ば、これ を もちうれば かならず かつ、これ を とどめん。]

●訳 1
全軍を任せる将軍が、以上の私の計略を聴き入れるならば、この将軍を用いれば必ず勝つ。この将軍を任に留めるべきである。

●訳 2
全軍を任せる将軍が、私の述べる戦略・戦術を理解し受け入れるならば、この将軍を登用すれば、必ず戦いに勝つ。この将軍を解任させてはいけない。

 
●原文
將不聽吾計 用之必敗 去之
シヤウ フ チヤウ ゴ ケイ ヨウ シ ヒツ ハイ キヨ シ
[ 将不聴吾計 用之必敗 去之
ショウ フ チョウ ゴ ケイ ヨウ シ ヒツ ハイ キョ シ ]

●書き下し文
將、吾が計を聽かざれば、之を用ふれば必ず敗る、これを去らん。
しやう、わが けい を きかざれば、これ を もちふれ ば かならず やぶる、これ を さら ん。
[ 将、吾が計を聴かざれば、之を用うれば必ず敗る、これを去らん。
しょう、わが けい を きかざれば、これ を もちうれ ば かならず やぶる、これ を さら ん。 ]

●訳
全軍を任せている将軍が、私の計略を聴き入れないならば、この将軍を用いれば必ず敗れる。この将軍を解任すべきである。

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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歷し史【へしふみ】(歴史)

天武天皇 1

【キーフレーズ】
「天皇」という称号

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第40代 天武天皇

 
「天皇」という称号を初めて使った。
「大王(おほきみ)」から「天皇」に。

 
天皇家(天皇と皇族)中心の政治形態をとり、大臣を置かず、皇后や皇子を重用した。
これを皇親政治(こうしんせいじ)という。
皇親とは皇族のこと。

 
壬申の乱
古代史上最大の内乱。皇位争奪の戦い。
大友皇子(天智天皇の息子)・中央の豪族 VS 大海人皇子(天智天皇の弟)・地方の豪族
大海人皇子側が勝利したため、中央の豪族たちが天皇に文句を言えなくなった。
ここで天皇の権威が高まった。

 
大海人皇子は地政学を学んでいて、関所を設けて戦いに備えるなど、兵法(攻め方・守り方)を熟知していた。
だから後に、名前に「武」と言う字が付けられた。

戦いの際には、奇門遁甲(天界の運行)のような方位術、占いも用いた。
気象条件に応じて戦術を立てた。
だから後に、名前に「天」という字が付けられた。

これらを踏まえて、「天武」という名前は大海人皇子にとってふさわしい名前だった。

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古事記と日本書紀の作成を発案し、部下に作成を命じた。

●身長
175㎝

●好きな色

●好きな神獣
朱雀

●性格
理想主義者で寂しがりや。

●妻
愛妻家だが、妻は10人いた。

 
≪参考文献≫
・竹内睦泰 (2005)『超速!最新日本史の流れ』ブックマン社
・渡部昇一 (2011)『決定版・日本史』扶桑社
・井沢元彦 (1997)『逆説の日本史〈1〉古代黎明編』小学館

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≪今日の言葉≫
「歴史のなかにわれわれの未来の秘密が横たわっている」
岡倉天心

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

無量義経(むりょうぎきょう)18

★~ やさしい 無量義経 ~★

【キーフレーズ】
仏の教え

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●原文
守之不動億百千劫
しゅ し ふ どう おく ひゃく せん ごう

●書き下し文
之を守りて動ぜざること億百千劫
これ を まもり て どうぜ ざる こと おく ひゃく せん ごう

●訳
このような心の状態を長い間保っている

 
●原文
無量法門悉現在前
む りょう ほう もん しつ げん ざい ぜん

●書き下し文
無量の法門悉く現在前せり。
むりょう の ほうもん ことごとく げんざい ぜんせ り

●訳
汲めども尽きぬ仏の教えは全て今、目の前にあった。

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★~まぜこぜ 無量義経~★

【キーフレーズ】
仏の教え

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

無量義經德行品第一
むりやう ぎきやう とくぎやうほん だいいち
[ 無量義経徳行品第一
むりょうぎきょう とくぎょうほん だいいち ]

●原文
守之不動億百千劫
しゆ し ふ だう おく ひやく せん ごふ
[ 守之不動億百千劫
しゅ し ふ どう おく ひゃく せん ごう ]

●書き下し文
之を守りて動ぜざること億百千劫
これ を まもり て だうぜ ざる こと おく ひやく せん ごふ
[ 之を守りて動ぜざること億百千劫
これ を まもり て どうぜ ざる こと おく ひゃく せん ごう ]

●訳 1
このような心の状態を保って動じないこと億百千劫。

●訳 2
このような心の状態を長い間保っている

 
●原文
無量法門悉現在前
む りやう ほう もん しつ げん ざい ぜん
[ 無量法門悉現在前
む りょう ほう もん しつ げん ざい ぜん ]

●書き下し文
無量の法門悉く現在前せり。
むりやう の ほうもん ことごとく げんざい ぜんせ り
[ 無量の法門悉く現在前せり。
むりょう の ほうもん ことごとく げんざい ぜんせ り ]

●訳
汲めども尽きぬ仏の教えは全て今、目の前にあった。

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≪参考文献≫
・三木随法 (2002)『真訓対照 法華三部経』東方出版
・白川静 (2003)『常用字解』平凡社

 
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神話【かみかたり】(神話)

石と龍神

【キーワード】
大昔・石・龍神

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●岐阜県の民話

ある村でのむかし話。
隣り村から新しくやって来た男が、家を建てるところを探していました。
幾日かして、良さそうな所を見つけましたが、石が一つだけ邪魔で、取り除こうとしていました。
それを見ていた他の村人が「その石は見た目は普通の石じゃが、昔は依代(よりしろ)にしておった石じゃから、動かさんほうがいいと思うが」と言いました。
しかし、どうしてもそこに家を建てたい村人は、構わず石をどかして家を建ててしまいました。
村人が家に住みはじめて幾日が過ぎたある夜、夢の中に龍神が現れました。
龍神「石を元の所に戻しなさい。大昔、ここに居た者たちが陽(ひ)の神を崇(あが)め、あの石は依代(よりしろ)だった。我はあの石に宿っている龍神である。石を守っている龍神である」
村人は翌朝起きて直ぐに、庭に飛び出して、動かした石を元あった所に戻しました。
その日から、村人は毎日、石に手を合わせ、それは代々引き継がれていきました。

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●この民話にまつわる話

旧国道沿いには、今では色々なお店が建ち並んでいます。
その中には、頻繁にお店が変わってしまう場所があります。
そのような場所は、昔、庚申塚の石が置かれていた場所が多いです。
明治時代に、国は庚申信仰を迷信と決めつけて、街道沿いに置かれた庚申塚の石の撤去を勧めました。
さらに1960年代から始まった道路の拡張整備によって、残った庚申塚の石のほとんどが、取り去られたり、別の場所に移されたりしました。
その中には、大昔の石もあり、それは太陽の神様に宿っていただくための石(依代 -よりしろ-)だったといわれています。

 
《参考文献等》
・戸部民夫 (2004)『「日本の神様」がよくわかる本』PHP研究所
・柳田国男 (1983)『日本の昔話』新潮社
・折口信夫 (2002)『古代研究〈1〉祭りの発生』中央公論新社

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≪今日の言葉≫
まことことわりは神によってのみいたり、ひとの及ぶところではない」
アルケシラオス

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 14

【キーフレーズ】
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)と女三の宮(おんなさんのみや)

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●原文
世の中を恨みたるやうにて亡せたまひにし。
(よのなか を うらみ たる やう にて うせ たまひ に し)

●原文に漢字を付加
世の中を恨みたる様にて亡せ給ひにし、

●訳
世の中を恨んでいる様子で、お亡くなりになった、

●解説
・「たる」・・・
「~ている」
存続の助動詞「たり」の連体形。
動作が行われてその結果が残っていることを表す存続。
・「やうに」・・・
「~の状態で」「~の様子で」
状態の助動詞「やうなり」の連用形。
・「て」・・・
接続助詞。
・「にし」・・・
「~てしまった」
完了の助動詞「ぬ」の連用形+過去の助動詞「き」の連体形
(本文ではその後の名詞に続くため、連体形の「し」となる)

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●原文
その御腹の女三の宮を
(その おほんはら の をんなさんのみや を)

●訳
その人(藤壺女御)がお産みになった女三の宮(おんなさんのみや)を、

●言葉
『源氏物語』では「御」を「おほん」と読むのが一般的。

●若菜1~14までの話
始めに朱雀院の事、次に藤壺女御の事が語られ、その後に若菜上巻で大きな位置を占める女三の宮の紹介が始まる。

●感想
略(ほぼ)すべての文に敬語&敬語に敬語...

 
≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

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≪今日の言葉≫
「本を読み進める分だけ、私はより豊かになっていく」
チェーホフ

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ)52

[キーフレーズ]
年と月

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
歳次大-梁

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
歳大梁に次り。

●原文 2
歲次大梁
サイ ジ タイ リヤウ
[歳次大梁
サイ ジ タイ リョウ ]

●書き下し文 2
歲、大梁に次り、
さい たいりやう に やどり
[ 歳、大梁に次り、
さい たいりょう に やどり]

●訳
そうして、酉の年、

●解説
・「歳」は歳星(さいせい)。木星の別名。
中国において、木星の公転周期12年も基(もと)にして、12年周期法(十二次 – じゅうにじ – )を用いた時代があった。
それぞれの位置に名前を付けた。「大梁(たいりょう)」はその内の一つ。
「大梁」は昴(すばる)の漢名。昴は西の方角にある。
「酉」は西の方角を表す。
木星が昴の方角に宿る年を酉年という。
つまり、「歳、大梁に次り」とは、「酉年に」という意味になる。

●解説(本居宣長『古事記伝』より)
歳次大-梁。
歳大梁に次り。
大梁は、十二次の内の昴宿(ボウノホシ)の次(ヤドリ)にて、昴は二十八宿の中の西ノ方の星、酉は酉ノ方なればなり。
(意訳;
「大梁」は、十二次(じゅうにじ)の内の昴宿(ぼうのほし)の次(やど)りで、昴は二十八宿の中の西の方の星、酉は西の方角である。)

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●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
月踵夾-鍾

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
月夾鍾に踵(あた)りて

●原文 2
月踵夾鐘
ゲツ シヤウ ケフ シヤウ
[ 月踵夾鐘
ゲツ ショウ キョウ ショウ]

●書き下し文 2
月、夾鐘に踵り、
つき けふしやう に あたり
[ 月、夾鐘に踵り、
つき きょうしょう に あたり ]

●訳
二月に、

●解説
・夾鐘(きょうしょう)・・・
陰暦二月の別名。

●解説(本居宣長『古事記伝』より)
月踵夾-鍾。
月夾鍾に踵(あた)りて。
夾鐘は、十二律の中の二月の律なり。
さて書紀を考るに、此ノ天皇、癸酉ノ年二月癸未【二十七日】に御位に即(ツキ)ませり。
(意訳:
夾鐘は、十二律の中の二月の律である。
日本書紀から考えて、この天皇は、癸酉ノ年二月癸未(二十七日)に御位に即位したことになる。)

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《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/5/1)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/5/1)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第136回)

(アクセス日:2017/5/1)

 
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