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言の葉【ことのは】

疑問の終助詞「か」(古典文法)

●例の文 一‥‥
童べと腹立ちたりしか
[出づる典]源氏物語(一部改め)
[譯き]
子供達と喧嘩していたのか?
【●たぐひ の あや ひ‥‥
わらは べ と はらたち たり し か
[いづる ふみ]みなもと の うじ ものがたり(ひ ところ あらため)
[とき]
こども たち と ケンカし て いた の か?】

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●例の文 二‥‥
斯くこそありしか
[出づる典]箱根八里
[譯き]
このようであったのか?
[詞の品]
こそ:強めの助け詞。
し:来し方の動き助け詞「き」の體連なりの形。
【●たぐひ の あや ふ‥‥
かく こそ あり し か
[いづる ふみ]はこね や さと
[とき]
この よう で あっ た の か?
[こと の しな]
こそ:つよめ の たすけ こと。
し:き し かた の うごき たすけ こと「き」の な つらなり の かた。】

●例文 二‥‥
斯くこそありしか
[出典]箱根八里
[譯]
このようであったのか?
[品詞]
こそ:強意の助詞。
し:過去の助動詞「き」の連體形。
【●レイブン ニ‥‥
かく こそ あり し か
[シュッテン]ハコネ ハチリ
[ヤク]
この よう で あっ た の か?
[ヒンシ]
こそ:キョウイ の ジョシ。
し:カコ の ジョドウシ「き」の レンタイケイ。】

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≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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クイズ 言の葉【ことのは】

変格活用のクイズ(古典文法)

[問題]
サ行変格活用、カ行変格活用、ナ行変格活用を
下二段活用から変形する時、
変形した活用形の数はそれぞれいくつか?

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[答]
サ変は1個
カ変は3個
ナ変は3個

 
[解説]

サ行下二段活用[せ/せ/す/する/すれ/せよ]
サ行変格活用 [せ/し/す/する/すれ/せよ]
(連用形が変形)

カ行下二段活用[け/け/く/くる/くれ/けよ]
カ行変格活用 [こ/き/く/くる/くれ/こよ]
(未然形・連用形・命令形が変形)

ナ行下二段活用[ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ]
ナ行変格活用 [な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね]
(未然形・連用形・命令形が変形)

 
[問題]
サ行変格活用、カ行変格活用、ナ行変格活用を
下二段活用から変形する時、
変形しない活用形は?

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[答]
終止形、連体形、已然形。

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
「サ行変格活用」(古典文法)
「カ行変格活用」(古典文法)
「ナ行変格活用」(古典文法)
四段・下二段・下一段・サ変・カ変・ナ変・ラ変の覚え方(古典文法)

 
≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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言の葉【ことのは】

動詞の前にある単語の活用形は?(古典文法)

●動詞の前にある単語の活用形は?

連用形。

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[解説]
連用形は用言に連なる。
用言とは、自立語かつ活用する単語、
すなわち、動詞、形容詞、形容動詞。

 
[例]
田舎人多く詣でたりけり
【ゐなかびと おほく まうで たり けり】
(『源氏物語』(一部改め))
[訳 1]
田舎の人が多く詣でていた。
【いなか の ひと が おおく もうで て い た。】
[訳 2]
田舎の人々が沢山参詣していた。
【いなか の ひとびと が タクサン サンケイし て い た。】
[品詞]
「おほく」:形容詞「おほし」(ク活用)の連用形。
「まうで」:動詞「まうづ」の連用形。
「おほく」+「まうで」:連用形 + 用言(動詞)

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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言の葉【ことのは】

「確定順接」2(古典文法)

●「確定順接」の「原因・理由」の訳‥‥
~ので…
~から…

 
●「確定順接」の「原因・理由」の例文 1‥‥
「京には見えぬ鳥なれば、皆人見知らず」
([出典]伊勢物語 九)

[訳]
京では見かけない鳥なので、皆その鳥を見ても、何という鳥だか分からない。

[意訳]
京の都では見かけない鳥なので、皆その鳥をよく知らない。

「見知る」:「見て、それとわかる」

 
●「確定順接」の「原因・理由」の例文 2‥‥

いと後ろめたければ、乳母替へてむ。
【いと うしろめたけれ ば、めのと かへ て む。】
(『枕草子』(一部改め))

[訳]
非常に先が気掛かりなので、必ず乳母を替えよう。
【ヒジョウに さき が きがかりな ので、かならず ウバ を かえ よう。】

[意訳]
この乳母では凄く不安だから、絶対に替える!
【この ウバ では すごく フアンだ から、ゼッタイに かえる!】

「て」:強意の助動詞「つ」の未然形。
「む」:意志の助動詞「む」の終止形。

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●「確定順接」の「偶然」の訳‥‥
~(する)と…
~(した)ところ…
~(した)ところたまたま…

 
●「確定順接」の「偶然」の例文‥‥

走り出づれば、地割れ裂く。
【はしり いづれ ば、つち われ さく。】
([出典]方丈記)

[訳 1]
(地震のために)外に走り出すと、地面が割れて裂ける。

[訳 2]
外に逃げ出すと、(大地震の後のために)地面が割れて裂ける。

 
≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
「確定順接・仮定順接・確定逆接・仮定逆接」(古典文法)1
「確定順接・仮定順接・確定逆接・仮定逆接」(古典文法)2
「仮定順接」(古典文法)
「確定」(古典文法)
「順接」(古典文法)

 
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言の葉【ことのは】

完了の助動詞「つ」(古典文法)

●活用型‥‥
下二段活用。

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完了の助動詞「つ」の訳‥‥
〜た。
〜してしまう。
〜してしまった。

 
●完了の助動詞「つ」の例‥‥
弱竹の輝姫と付けつ。
【なよたけ の かぐやひめ と つけ つ。】
『竹取物語』(漢字付加文)

[訳]
なよ竹のかぐや姫と名づけた。

「かぐや姫」:「かがやく姫」→「かがや姫」→「かぐや姫」
「弱竹」:細くてしなやかな竹。

 
≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
「過去・完了・存続」(古典文法)
助動詞「り」(古典文法)

 
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言の葉【ことのは】

四段・下二段・下一段・サ変・カ変・ナ変・ラ変の覚え方(古典文法)

●四段・下二段・下一段・サ変カ変ナ変ラ変の覚え方‥‥

➀「あ/い/う/う/え/え」

➁  「る・る・れ・よ
      る・れ・よ
え・え・う・う・う・え」

➂「せ/し/す/する/すれ/せよ
こ/き/く/くる/くれ/こよ
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね」

➃「ラ・ヨ・シュウ・リ」

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●解説‥‥

➀は、四段活用。

➁は、
「る・る・れ・よ」と「え・え・え・え・え・え」を
合わせて、下一段活用の「え/え/える/える/えれ/えよ」。
(ア行の中心「う」の下の「え」を使うから「下」。
エ段音のみ使うから「一段」。
合わせて「下一段」。)

また、「る・れ・よ」と「え・え・う・う・う・え」を
合わせて、下二段活用の「え/え/う/うる/うれ/えよ」。
(ア行の中心「う」の下の「え」を使うから「下」。
ウ段音とエ段音を使うから「二段」。
合わせて「下二段」。)

➂は、
サ変、
カ変、
ナ変。

➃は、
「ラ変・四段・終止・り」。
(ラ変は、ラ行四段活用「ら/り/る/る/れ/れ」の
終止形を「り」にする。)

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
動詞の活用(種類)(古典文法)
「動詞」について
動詞の活用(種類の見分け方) (古典文法)
動詞の活用について (古典文法)

 
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言の葉【ことのは】

「ナ行変格活用」(古典文法)

●ナ行変格活用‥‥
[な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね]

 
●ナ行変格活用の語例‥‥
「死(し)ぬ」
「去(い)ぬ」
の二語のみ。

 
●ナ行変格活用の覚え方‥‥
・「な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね」
(そのまま覚える。)

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●ナ行下二段活用とナ行変格活用‥‥
ナ行下二[ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ]
ナ行変格[な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね]

 
●ナ行変格活用の特徴‥‥
ナ変は、
ナ行下二段活用[ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ]の、
未然形を「な」、
連用形を「に」、
命令形を「ね」
にした形である。

 
●サ変・カ変・ナ変‥‥

サ行下二段、カ行下二段、ナ行下二段を
変形した形が、それぞれ
サ変、カ変、ナ変
とすると、

➀ 変形した活用形の数は、
サ変は1個(連用形)
カ変は3個(未然形・連用形・命令形)
ナ変は3個(未然形・連用形・命令形)

➁ サ変、カ変、ナ変に
共通する特徴は以下の二つである。
・連用形がエ段音からイ段音へと変形している。
・終止形、連体形、已然形は変形しない。

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
動詞の活用(種類)(古典文法)
「サ行変格活用」(古典文法)
「カ行変格活用」(古典文法)

 
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「カ行変格活用」(古典文法)

●カ行変格活用‥‥
[こ/き/く/くる/くれ/こ・こよ]

 
●カ行変格活用の覚え方‥‥
・「こ/き/く/くる/くれ/こよ」
(命令形に「こ」があることを意識して、
それ以外をそのまま覚える。)

 
●カ行下二段活用とカ行変格活用‥‥
カ行下二[け/け/く/くる/くれ/けよ]
カ行変格[こ/き/く/くる/くれ/こよ]

 
●カ行変格活用の特徴‥‥
カ変は、
カ行下二段活用[け/け/く/くる/くれ/けよ]の、
未然形を「こ」、
連用形を「き」、
命令形を「こよ」
にした形である。

 
●カ行変格活用の語例‥‥
「来(く)」のみ。

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
動詞の活用(種類)(古典文法)
「サ行変格活用」(古典文法)
「ナ行変格活用」(古典文法)
なぜ「上二段活用」と呼ぶか (古典文法)
「動詞」について

 
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「自立語」「付属語」と「活用する」「活用しない」(古典文法)

{ ポイント }
「自立語」「付属語」という分け方と、
「活用する」「活用しない」という分け方は
別のもの。

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●自立語で活用するもの‥‥
・動詞
・形容詞
・形容動詞

 
●自立語で活用しないもの‥‥
・名詞
・副詞(用言に修飾する。例:「いと」(非常に))
・連体詞(体言に修飾する。例:「あらゆる」(すべての))
・接続詞(文と文をつなぐ。例:「かれ」(それゆえ))
・感動詞(感動。例:「あな」(まあ!))

 
●付属語で活用するもの‥‥
・助動詞

 
●付属語で活用しないもの‥‥
・助詞

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≪参考文献≫
・望月光 (2014)『古文教室 古典文法編』旺文社
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店

 
≪関連記事≫
「自立語」 (国語文法)
「付属語」(国語文法)
「活用」「活用形」(古典文法)

 
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終止形 + 引用の「とて」(古典文法)

●引用の「とて」‥‥
「と」:格助詞
「て」:接続助詞

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●終止形 + 引用の「とて」の例 1‥‥

「山に登らむ」とて出でけり。

[訳]「山に登る」と言って、出かけた。

「む」:意志の助動詞「む」の終止形。

 
●終止形 + 引用の「とて」の例 2‥‥

「子となり給ふべき人なめり」とて、
【「こ と なり たまふ べき ひと な めり」と て、】
([出典]竹取物語)

[訳 1]
「私の子供におなりになるはずの方であるようだ」と言って、

[訳 2]
「我が子におなりになる方であると感ずる」と言って、

[意訳 1]
「神様が『この子を育てるように』と、私に子供を授けてくださったのだろう」と言って、

[意訳 2]
「神様からの授かりものか…」と言って、

「べき」:当然の助動詞「べし」(「~はずだ」)の連体形、
又は、推量の助動詞「べし」(「~だろう」)の連体形。
「な」:断定の助動詞「なり」の連体形。
「めり」:推量の助動詞「めり」(「~のだろう・~ようだ」)の終止形。

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≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
「動詞」について

 
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