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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし) 14

【キーフレーズ】
強と錬

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

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●原文
兵眾孰強
ヘイ シユウ ジユク キヤウ
[ 兵衆孰強
ヘイ シュウ ジュク キョウ ]

●書き下し文
兵眾、孰れか強き、
へいしゆう いづれか つよき
[ 兵衆、孰れか強き、
へいしゅう いずれか つよき ]

●訳
兵士はどちらの方が強いか、

●言葉の意味
・兵(読み)・・・
ヘイ,ヒヤウ
つはもの
[ ヘイ,ヒョウ
つわもの ]
・眾[ 衆 ](読み)・・・
シユウ,シユ
おほ(い)
[ シュウ,シュ
おお(い) ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・強(読み)・・・
キヤウ,ガウ
つよ(ひ)
[ キョウ,ゴウ
つよ(い) ]

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●原文
士卒孰練
シ ソツ ジユク レン
[ 士卒孰練
シ ソツ ジュク レン ]

●書き下し文 1
士卒、孰れか練れたる、
しそつ いづれか ねれたる
[ 士卒、孰れか練れたる、
しそつ いずれか ねれたる ]

●書き下し文 2
士卒、孰か練す、
しそつ いづれか れんす
[ 士卒、孰か練す、
しそつ いずれか れんす ]

●訳
兵士はどちらがよく訓練されているか、

●言葉の意味
・士(読み)・・・

さむらひ
[ シ
さむらい ]
・卒(読み)・・・
ソツ
つひ(に)
[ ソツ
つい(に) ]
・練(読み)・・・
レン
ね(る)
[ レン
ね(る) ]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 50

[キーフレーズ]
大海人皇子軍の帰国

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(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

●原文 1(本居宣長『古事記伝』より)
愷-悌帰於華夏

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
愷悌して華夏に帰り

●原文 2
愷悌歸於華夏
グワイ テイ キ ヨ クワ クワ
[ 愷悌帰於華夏
ガイ テイ キ ヨ カ カ ]

●書き下し文 2
愷悌して華夏に歸り、
ぐわいてい して くわくわ に かへり
[ 愷悌して華夏に帰り、
がいてい して かか に かえり ]

●訳 1
大海人皇子軍は飛鳥(あすか)に凱旋(がいせん)し、

●訳 2
戦(いくさ)が終わり、緊張感も解けて安堵した気持ちになり、大和国(やまとのくに)に帰り、

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●言葉の意味
・愷(読み)・・・
クワイ,グワイ
やす(らか),たの(しむ)
[ カイ,ガイ
やす(らか),たの(しむ) ]
・悌(読み)・・・
ダイ,テイ
・歸[ 帰 ](読み)・・・

かへ(る)
[ キ
かえ(る) ]
・於(読み)・・・
ヲ,ヨ
を(ひて)
[ オ,ヨ
お(いて) ]
・華(読み)・・・
クワ,ケ
はな
[ カ,ケ
はな ]
・夏(読み)・・・
クワ,ゲ
なつ
[ カ,ゲ
なつ ]

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●用語の意味
・愷悌・・・
穏やかで安らいでいるさま。
・華夏・・・
①唐土(もろこし)。
②都。

●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
乃放牛息馬。愷-悌帰於華夏。
・乃(すなは)ち牛を放ち馬を息(いこ)へ。愷悌して華夏に帰り。
放牛息馬とは、から國の周ノ武王が紂に勝(カチ)て後に、馬を崋山の南に帰(カヘ)し、牛を桃林の野に放チて、再服(フタゝビツカ)はぬことをしらせし故事(フルコト)なり。
(意訳:
「放牛息馬」とは、周の武王が紂に勝利した後、馬を崋山の南方に帰し、牛を桃林の野に放って、二度と使わないことを民に知らせた故事からきている。)

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/15)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/4/15)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第135回)

(アクセス日:2017/4/15)

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 12

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

[キーフレーズ]
藤壺女御のストレス

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●原文
気圧されて、
(けおされて)

●訳
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)は、圧倒されて、

●原文
帝も御心のうちに、
(みかど も みこころ の うち に)

●訳
朱雀院も心の中で、

●原文
いとほしきものには思ひ聞こえさせ給ひながら、
(いとほしきものには おもひ きこえさせ たまひ ながら)
[いとおしきものには おもい きこえさせ たまい ながら]

●訳 1
気の毒に思(おぼ)し召(め)しながらも、

●訳 2
気の毒なものには思い申し上げながらも、

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●解説
・藤壺女御(ふじつぼのにょうご)・・・
朱雀帝(すざくてい)の女御(にょうご)。
女三の宮(おんなさんのみや)の母。
先帝(桐壺帝のもう一つ前の帝)の皇女(おうじょ)。
朱雀帝が皇子(おうじ)時代に内裏(だいり)に入る。
本来は、中宮(天皇の后)という高位になってもよい身分だったが、有力な後ろ盾(うしろだて)がいなかったために、宮中での地位が脆(もろ)いものになってしまった。
母方のほうの系譜の上でも、有力者はいなかった。母親の身分も更衣(女御より一段低い位)だった。
これらの諸事情から、宮中づきあいも心細かった。
また、姑(しゅうとめ)である弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)が、朧月夜を内裏に入れた。
そして、弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)は朧月夜だけを贔屓(ひいき)にした。
つまり、父方の後見人・母方の血筋・母方の後見人・交際下手(べた)・宮中での待遇という諸々(もろもろ)の理由により、藤壺女御は、宮中生活に精神的圧迫感を感じていた。
そのような事情により、朱雀院は藤壺女御のことを気の毒に思わずにはいられなかった。

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

無量義経(むりょうぎきょう)16

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

無量義經德行品第一
[ 無量義経徳行品第一 ]

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[キーワード]
とらわれない

●原文
恬安憺怕
てん なん たん ぱく

●書き下し文
恬安憺怕に
てんなんたんぱく に

●訳 1
穏やかで、安らかで、落ち着いており、心しずかで、

●訳 2
物事に拘(こだわ)ることがなく、常に穏やかで、

●訳 3
こころ安らか、こころ静かで、

●言葉の意味 1
・恬安(てんなん)・・・
こころ安らか。
・憺怕(たんぱく)・・・
こころ静か。

●言葉の意味 2
・恬(読み)・・・
[ テン
しず(か),やす(らか) ]
・恬(意味)・・・
やすらか。しずか。落ち着いている。
あっさりしている。とらわれない。
・安(読み)・・・
[ アン,ナン
やす(い),やす(んじる) ]
・憺(読み)・・・
[ タン
やす(らか) ]
・憺(意味)・・・
憺(やす)らか。しずか。落ち着いている。
・怕(読み)・・・
[ ハ,ハク
おそ(れる) ]
・怕(意味)・・・
おそれる。
静(しず)か。穏(おだ)やか。安(やす)らか。

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●原文
無爲無欲
むゐむよく
[ 無為無欲
むいむよく ]

●書き下し文
無爲無欲なり。
[ 無為無欲なり。 ]

●訳
自然のままに任せて、必要以上の欲もない。

●説き【とき】
・諸々の菩薩に恬安憺怕無爲無欲の徳あるを言ふ。
【もろもろ の ぼさつ に てんなんたんぱく むいむよく の とく ある を いふ】
・己を消し去り、空気の如(ごと)くなる。
・外部が押し付けた(本当の欲望ではない)欲望に振り回されない。あるがままに与えられたもの受け取り、味わう。
・無執着。
・縦横無尽、臨機応変。
・感じるままに。
・あるがままに物事を観(み)る。

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≪参考文献≫
・三木随法 (2002)『真訓対照 法華三部経』東方出版
・白川静 (2003)『常用字解』平凡社
・『さいこうの法華経講座 無量義経 徳行品 第1(1)』(YouTube動画)

 
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神話【かみかたり】(神話)

狛犬~コマイヌサン

図書館で借りた『日本全国 獅子・狛犬ものがたり』という本が面白かったので、ネットも参考にしながら、「狛犬」に関する話を簡単に纏(まと)めてみました。

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< キーフレーズ >
「始」から「終」まで

 
昭和16年に、小学校の名称が、尋常小学校から国民学校に変わりました。

昭和18年印刷の国民学校国語教科書『ヨミカタ 一』は次のような言葉で始まっています。

「アカイ アカイ アサヒ アサヒ

ハト コイ コイ

コマイヌサン ア コマイヌサン ウン」

 
なぜ「コマイヌ」を教科書に取り上げたのでしょうか?

神社に置かれている狛犬は、天皇陛下と神を守護する霊獣です。

ということは、政府は、子供達に天皇陛下と日本を護る心を根付かせようとして、「コマイヌ」という言葉を教科書に入れたのだと考えられます。

昔の子供達は、神社を護っている狛犬が対となって「あ」「うん」と言っている事を習っていたんですね。

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口を「あ」と開けている角(つの)無しの狛犬。

口を「うん」と閉じている角ありの狛犬。

漢字にすると「阿吽」。

「あうん」は、サンスクリット語の「a」(最初の音)と「hum」(最後の音)の事。

「阿」は吐く息、「吽」は吸う息を表します。
そこから、2人の人物がピッタリと息が合って、気持ちが通じ合っている様(さま)を「阿吽の呼吸」と呼ぶようになりました。

最初の音「a」と最後の音「hum」。
生まれた時は「おぎゃ~」「あ~」と口を開け、死ぬ時は口を閉じる。
つまり、「a-hum」で、物事の始めから終わりまでを表しています。

また、「a」を初発の「悟りたいという思い」(菩提心 -ぼだいしん-)、「hum」をその結果としての「悟り」(涅槃 -ねはん-)とも云われています。

(補足)
日本語の50音図はサンスクリット語を基礎にしていると云われています。

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≪参考文献≫
・上杉千郷 (2008)『日本全国 獅子・狛犬ものがたり』戎光祥出版

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)8

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

妙法蓮華經 觀世音菩薩 普門品 第二十五
めうほうれんげきやうくわんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじふご
[妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼん だいにじゅうご]

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< キーセンテンス >
「南無観世音菩薩」と称(とな)える

●原文
稱其名號
しやう ご みやう がう
[ 称其名号
しょう ご みょう ごう ]

●書き下し文 1
其の名號を稱へれば
その みやうがう を となへ れば
[ 其の名号を称えれば
その みょうごう を となえ れば ]

●書き下し文 2
其の名號を稱せば
その みやうがう を しやう せ ば
[ 其の名号を称せば ]
その みょうごう を しょう せ ば

●訳 1
観世音菩薩の名を称(とな)えれば、

●訳 2
観音様の御名(みな)を称えれば、

●言葉の意味
・稱[ 称 ](読み)・・・
シヤウ
たた(へる),とな(へる)
[ ショウ
たた(える),とな(える) ]
・其(読み)・・・
キ,ゴ
そ(の),それ
[ キ,ゴ
そ(の),それ ]
・名(読み)・・・
ミヤウ,メイ

[ ミョウ,メイ
な ]
・號[ 号 ](読み)・・・
ガウ
さけ(ぶ),よびな
[ ゴウ
さけ(ぶ),よびな ]

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●原文
即得淺處
そく とく せん じよ
[ 即得浅処
そく とく せん じょ ]

●書き下し文
即ち淺き處を得ん
すなはち あさき ところ を え ん
[ 即ち浅き処を得ん
すなわち あさき ところ を え ん]

●訳 1
直(す)ぐに浅瀬に着けるだろう。

●訳 2
直(す)ぐに浅い所に着けるだろう。

●言葉の意味
・即(読み)・・・
ソク
すなは(ち)
[ ソク
すなわ(ち) ]
・得(読み)・・・
トク
え(る),う(る)
[ トク
え(る),う(る) ]
・淺[ 浅 ](読み)・・・
セン
あさ(い)
[ セン
あさ(い) ]
・處[ 処 ](読み)・・・
シヨ,ジヨ
お(く),ところ
[ ショ,ジョ
お(く),ところ ]

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≪参考文献≫
・坂本幸男 (翻訳), 岩本裕 (翻訳) (1976)『法華経』岩波書店

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

現代諸学と仏法 1

〈キーワード〉
観ずる

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●本文
真の観心(かんじん)は、反省→自覚でしか得られない。
これを「得意」という。
観心(かんじん)は反省自覚なり。
推理、つまり論理考察からは、決して観心は得られない。

 
●解説

・観心(かんじん)・・・
自分の心の本性を観察すること。
観心をすることで「真実を明らか」にする。

・得意・・・
意を得る → 意図するところ(真実を明らかにすること)を実現する

・推理・・・
既知(きち)の事柄を基にして、思考の筋道を辿(たど)って、未知の事柄を推(お)し量(はか)ること。
(同義) 既知の事柄を基にして、新しい一つの判断を下(くだ)すこと。

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●本文
己心(こしん)を観じて、十法界を見る。そして仏界を得る。

 
●解説

・己心・・・
自己の心。

・観ずる・・・
確(しっか)りと集中して見る。対象と自己を同一化させる。

・観ずる、即(すなわ)ち観(み)ている時、人はその対象そのものになっている。
「観る」は、「見る」や「眺める」とは違う。
仏教成立以前は、「観」には「神人合一」(神と人の一体化)という意味が含まれていた。

・神人合一・・・
神と人との一体化。神と人との区別が無くなっている状態。

・十法界(じっぽうかい)の諸解釈・・・
① 迷いや悟りなど、人間の心の全ての境地(状態)を10種に分類したもの。
② 人間の精神状態を10種に分類したもの。
③ 人間の生命の全ての状態を10種に分類したもの。
④ 人間の生命には10種の生命があるというもの。
⑤ あの世の世界を10種に分類したもの。

・十法界は仏法の生命観の基本である。
十界(じっかい)、十界論、十方界とも言われる。

・仏界とは十法界の一つ。

・仏界の諸解釈
①真理を悟った者が体現した至極の境地。
②真理を悟った者の至極の心的境地。
③壊(こわ)れることのない自由自在の状態(常)、
生きること自体を楽しむ状態(楽)、
何物にも左右されない主体性がある状態(我)、
何物にも汚されることのない清浄(しょうじょう)な状態(浄)、
以上の4つの状態に象徴される至極の境地。

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《参考文献等》
・石田次男, 本橋雅史(1986)『現代諸学と仏法』日経企画出版局
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/10)

 
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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし) 13

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

【キーフレーズ】
天地と法令

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●原文
天地孰得
テン ヂ ジユク トク
[ テン ジ ジュク トク]

●書き下し文
天地 孰れか得たる
てんち いづれ か えたる
[ てんち いずれ か えたる]

●訳
自然的条件、地理的条件はどちらが有利であるか、

●言葉の意味
・天(読み)・・・
テン
あま,あめ,そら
[ テン
あま,あめ,そら ]
・地(読み)・・・
ヂ,チ
つち,ところ
[ ジ,チ
つち,ところ ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・得(読み)・・・
トク
え(る),う(る)
[ トク
え(る),う(る) ]

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●原文
法令孰行
ハフ レイ ジユク カウ
[ ホウ レイ ジュク コウ ]

●書き下し文
法令 孰れか行なはる
はふれい いづれか おこなはる
[ 法令 孰れか行なわる
ほうれい いずれか おこなわる]

●訳 1
法令はどちらが、より守られているか、

●訳 2
法令はどちらが、より機能しているか、

●言葉の意味
・法(読み)・・・
ハフ
のっと(る),のり
[ ホウ
のっと(る),のり ]
・令(読み)・・・
レイ,リヤウ
いひつけ,をさ,よ(ひ)
[ レイ,リョウ
いいつけ,おさ,よ(い) ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・行(読み)・・・
ギヤウ,カウ
い(く),おこな(ふ),ゆ(く)
[ ギョウ,コウ
い(く),おこな(う),ゆ(く) ]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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カテゴリー
神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 49

〈 キーフレーズ 〉
大海人皇子軍の勝利

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(正字体と現代字体,歴史的仮名遣いと現代仮名遣いを併記)

●原文(本居宣長『古事記伝』より)
乃放牛息馬
ナイ ハウ ギウ ソク バ
[ 乃放牛息馬
ナイ ホウ ギュウ ソク バ ]

●書き下し文 1(本居宣長『古事記伝』より)
乃(すなは)ち牛を放ち馬を息(いこ)へ

●書き下し文 2
乃ち、牛を放ち馬を息へて、
すなはち うし を はなち うま を いこへて
[ すなわち うし を はなち うま を いこえて ]

●書き下し文 3
乃ち、牛を放ち、馬を息め、
すなはち うし を はなち うま を やすめ
[ すなわち うし を はなち うま を やすめ ]

●書き下し文 4
乃ち、放牛、息馬し、
すなはち はうぎう そくばし
[ すなわち ほうぎゅう そくばし ]

●訳 1
牛を放ち、馬を休ませ、

●訳 2
その後、牛馬を放ち、休息させ、

●訳 3
戦(いくさ)で使った牛馬を休ませ、

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●言葉の意味
・乃(読み)・・・
ダイ,ナイ
すなは(ち),なんぢ,の
[ ダイ,ナイ
すなわ(ち),なんじ,の ]
・放(読み)・・・
ハウ
はな(つ),はふ(る)
[ ホウ
はな(つ),ほう(る)]
・牛(読み)・・・
ギウ,ゴ
うし
[ ギュウ,ゴ
うし ]
・息(読み)・・・
ソク
いき,いこ(ふ),やす(む)
[ ソク
いき,いこ(う),やす(む)]
・馬(読み)・・・
バ,マ,メ
むま
[ バ,マ,メ
うま ]

●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
・乃(すなは)ち牛を放ち馬を息(いこ)へ。
放牛息馬とは、から國の周ノ武王が紂に勝(カチ)て後に、馬を崋山の南に帰(カヘ)し、牛を桃林の野に放チて、再服(フタゝビツカ)はぬことをしらせし故事(フルコト)なり。
(意訳:
「放牛息馬」とは、唐土(もろこし)の周の武王が紂に勝利した後、馬を崋山の南に帰し、牛を桃林の野に放って、再び使用しないことを民衆に知らせた故事からきている。)

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《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/4/9)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/4/9)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第135回)

(アクセス日:2017/4/9)

 
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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 11

(正字体と現代字体,歴史的仮名遣いと現代仮名遣いを併記)

[キーフレーズ]
藤壺女御(ふじつぼのにょうご)の周辺

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●原文
大后の、尚侍を参らせたてまつりたまひて、
おほきさい の ないしのかむ を まゐらせ たてまつり たまひて
[ 大后の、尚侍を参らせたてまつりたまいて、
おおきさい の ないしのかみ を まいらせ たてまつり たまいて ]

●原文に漢字を付加
大后の、尚侍を参らせ奉り給ひて、

●訳 1
大后が尚侍の君(かんのきみ)をお入れ申し上げなさって、

●訳 2
弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)が朧月夜を入内(じゅだい)させ申し上げなさって、

●解説
・大后・・・
弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)。桐壺帝の妃。朱雀帝の母。
・弘徽殿女御(こきでんのにょうご)・・・
桐壺帝在位中は、「后(きさい)」。
朱雀帝在位中は、「弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)」。
・朧月夜(おぼろづくよ、おぼろづきよ)・・・
弘徽殿女御(こきでんのにょうご)の妹。
尚侍の君(かんのきみ)と言う官位を賜って、朱雀帝に寵愛された。
・尚侍(ないし の かみ)・・・
内侍司(ないし の つかさ)の長官。女御(にようご)・更衣(こうい)に準ずる地位。
「かむ [かみ] 」は長官の意。ゆえに、「かむのきみ」「かみのきみ」「かんのきみ」と呼ばれる。
本文での「尚侍」は朧月夜を指す。

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●原文
かたはらに並(なら)ぶ人(ひと)なくもてなしきこえたまひなどせしほどに、
[ かたわらに並(なら)ぶ人(ひと)なくもてなしきこえたまいなどせしほどに ]

●原文に漢字を付加
側らに並ぶ人なく持て成し聞こえ給ひ等せし程に、

●訳 1
側に競争相手がいないほど厚く扱い申し上げなさったりしたので、

●訳 2
弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)は朧月夜だけを贔屓(ひいき)になされたので、

●解説
・藤壺女御(ふじつぼのにょうご)・・・
朱雀帝(すざくてい)の女御(にょうご)。
女三の宮(おんなさんのみや)の母。
先帝(桐壺帝のもう一つ前の帝)の皇女(おうじょ)。
朱雀帝が皇子(おうじ)時代に入内(じゅだい)する。
本来は、中宮(天皇の后)という高位になってもよい身分だったが、有力な後見人がいなかったために、宮中での地位が脆弱(ぜいじゃく)なものになってしまった。
母方のほうの系譜の上でも、有力者はいなかった。母親の身分も更衣(女御より一段低い位)だった。
これら諸々の事情から、宮中づきあいも心細かった。
また、姑(しゅうとめ)である弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)が、朧月夜を入内させた。
そして、弘徽殿大后(こきでんのおおきさい)は朧月夜だけを贔屓(ひいき)にした。
つまり、父方の後見人・母方の血筋・母方の後見人・交際下手(べた)・宮中での待遇という諸々(もろもろ)の理由により、藤壺女御は、宮中生活に精神的圧迫感を感じていた。

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≪参考文献≫
・山岸徳平(校注)(2010)『源氏物語』岩波書店

 
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