●「理想の」の大和言‥‥
あらまほし
【●「リ ソウ の」の やまと こと‥‥
あらまほし】
●例‥‥
理想の女性
[譯き]
あらまほしき女
【●たぐひ‥‥
リ ソウ の ジョ セイ
[とき]
あらまほしき をんな】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
妙法蓮華經
觀世音菩薩
普門品
第二十五
【たへ のり はす はな かたり
よ の こへ を みる ボサツ
あまねき かど の しな
め ふと い】
—
妙法蓮華經
觀世音菩薩
普門品
第二十五
【ミョウ ホウ レン ゲ キョウ
カン ゼ オン ボサツ
フ モン ボン
ダイ ニジュウ ゴ】
●原文‥‥
杻械枷鎖
檢繫其身
【●もと あや‥‥
チュウ カイ カー サー
ケン ゲー ゴー シン】
●書き下し‥‥
杻械枷鎖によりて
其の身を檢繫せらるとも
【●かき くだし‥‥
チュウ カイ カ サ に より て
そ の み を ケンゲ せ らる とも】
●譯き‥‥
手枷、足枷、首枷、鎖によって、
其の身を繫がれることがあっても、
【●とき‥‥
てかせ、あしかせ、くびかせ、くさり に よって、
その み を つなが れる こと が あっ て も、】
●說き【とき】‥‥
「杻」:木製の手枷
【「チュウ」:モク セイ の て かせ】
「械」:木製の足枷
【「カイ」:モク セイ の あし かせ】
「枷」:木製の首枷
【「カ」:モク セイ の くび かせ】
「鎖」:足に繋ぐ鎖
【「サ」:あし に つなぐ くさり】
–
「檢繫せ」:「檢繫す」の未だ然らざるの形。
「らる」:受身の動き助け詞「らる」の終はり止めの形。
「とも」:仮定まり逆接ぎの接ぎ助け詞「とも」。直前語は終はり止めの形。
【「ケンゲせ」:「ケンゲす」の いまだ さら ざる の かた。
「らる」:うけみ の うごき たすけ こと「らる」の をはり とめ の かた。
「とも」:かり さだまり さか つぎ の つぎ たすけ こと「とも」。ひた まへ こと は をはり とめ の かた。】
—
「檢繫せ」:「檢繫す」の未然形。
「らる」:受身の助動詞「らる」の終止形。
「とも」:仮定逆接の接續助詞「とも」。直前語は終止形。
【「ケンゲせ」:「ケンゲす」の ミ ゼン ケイ。
「らる」:うけみ の ジョ ドウ シ「らる」の シュウ シ ケイ。
「とも」:カ テイ ギャク セツ の セツ ゾク ジョ シ「とも」。チョク ゼン ゴ は シュウ シ ケイ。】
●原文‥‥
稱觀世音菩薩名者
【●もと あや‥‥
ショウ カン ゼ オン ボ サツ ミョウ シャ】
●書き下し‥‥
觀世音菩薩の名を稱へば
【●かき くだし‥‥
カン ゼ オン ボサツ の な を となへ ば】
●譯き 一‥‥
觀世音菩薩の名を稱へるならば、
【●とき ひ‥‥
カン ゼ オン ボサツ の な を となへる なら ば、】
●譯き 二‥‥
心から觀世音菩薩の名を稱へるならば、
【●とき ふ‥‥
こころ から カン ゼ オン ボサツ の な を となへる なら ば、】
●原文‥‥
皆悉斷壞
卽得解脫
【●もと あや‥‥
カイ シ ダン ネ
ソク トク ゲ ダツ】
●書き下し 一‥‥
皆悉く斷たれ壞れ
卽ち解き脫るることを得
【●かき くだし ひ‥‥
みな ことごとく たた れ こほれ
すなはち とき のがるる こと を う】
●書き下し 二‥‥
皆悉く斷し壞れ
卽解脫を得
【●かき くだし ふ‥‥
みな ことごとく ダンし こほれ
ソク ゲ ダツ を う】
●譯き‥‥
其の者を繫いでゐた鎖等は全て切斷されて壞れてしまひ、
卽座に其の難から逃れられる。
【とき‥‥
その もの を つない で ゐ た くさり など は すべて セツダンさ れ て こはれ て しまひ、
ソク ザ に その ナン から のがれら れる。】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
量り無き義の經り德の行ひの品第一
【はかり なき みち の かたり のり の おこなひ の しな め ひ】
—
無量義經德行品第一
【ム リョウ ギ キョウ トク ギョウ ホン ダイ イチ】
{ 概要 }
菩薩が民に敎へを說き導きたり
人を佛の道に導くは德の行ひなり
【{ガイヨウ}
ボサツ が たみ に をしへ を とき みちびき たり
ひと を ほとけ の みち に みちびく は のり の おこなひ なり】
●原文‥‥
次降甚深
十二因緣
【●もとあや‥‥
イ ゴウ ジン ジン
ジュウ ニ イン ネン】
●書き下し‥‥
次に甚深の十二因緣を降らして
【●かきくだし‥‥
つぎに ジン ジン の ジュウ ニ イン ネン を ふら し て】
●譯き 一‥‥
次に、いと奥深き十二の因緣の敎へを雨の如降らし、
【●とき ひ‥‥
つぎに、いと おくぶかき と ふ の イン ネン の をしへ を あめ の ごと ふら し、】
●譯き 二‥‥
次に、いと奥深き「十二の因緣の法門」を說きて、
【●とき ふ‥‥
つぎに、いと おくぶかき「と ふ の イン ネン の ホウ モン」を とき て、】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
●「目的」の大和言‥‥
目當て
的
【●「モク テキ」の やまと こと‥‥
め あて
まと】
●例‥‥
生きる目的
[譯き]
生くる目當て
【●たぐひ‥‥
いきる モク テキ
[とき]
いくる め あて】
●例‥‥
天下統一と云ふ目的
[譯き]
天の下一統べと云ふ目當て
【●たぐひ‥‥
テン カ トウ イツ と いふ モク テキ
[とき]
あめ の した ひ すべ と いふ め あて】
●例‥‥
其れが目的である。
[譯き]
其目當てなり
【●たぐひ‥‥
それ が モクテキ で ある。
[とき]
そ め あて なり】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
見渡せば 花も紅葉も なかりけり
浦の苫屋の 秋の夕暮れ
みわたせば はなももみぢも なかりけり
うらのとまやの あきのゆふぐれ
新古今和歌集め
藤原定家
一一六二年生まれ
【にひ いにしへ いま やまと うた つめ
ふじはら の さだいへ
ち も むと ふ とせ うまれ】
[譯き]
海邊を見渡してみると、
此処には色美しい春の櫻の花も
秋の紅葉もない。
海邊には苫屋があるだけだ。
寂しい秋の夕暮れよ。
【[とき]
うみべ を みわたし て みる と、
ここ に は いろうつくしい はる の さくら の はな も
あき の もみぢ も ない。
うみべ に は とまや が ある だけ だ。
さびしい あき の ゆふぐれ よ。】
[說き]
西行に勧められて詠んだ歌。
華やかさと寂しさの対比。
【[とき]
サイギョウ に すすめら れ て よん だ うた。
はなやかさ と さびしさ の タイヒ。】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
東の 野に炎の 立つ見えて
返り見すれば 月傾きぬ
ひむがしの のにかぎろひの たつみえて
かへりみすれば つきかたぶきぬ
萬葉集め
【よろづはつめ】
柿本人麻呂
(六六〇年生まれ)
【かきのもと の ひとまろ
(むも むと とせ うまれ)】
●譯き【とき】
東の野に日の出前の光が射し始めるのが見えて、
振り返って西の方を見ると、月が沈みかけてゐた。
●言葉
「かぎろひ」:明け方に射す太陽の光。
「かたぶく」:月が沈みかける。
「ぬ」:完了の助動詞。
「かたぶきぬ」:沈みかけ始めた。
●說き【とき】
・早朝、柿本人麻呂が軽皇子【かる の みこ】に従って狩りに出かけたときの歌。
・「東方の日の出前の光の射し始め」と「西方の月の沈み始め」をほぼ同時に見た状景を詠んだ歌。
・軽皇子(後の第42代文武天皇【あやたける の すめらみこと】)を昇る太陽に、亡くなった父の草壁皇子【くさかべ の みこ】を月に喩【たと】へた。
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
●「創建」の大和言‥‥
( )
【●「ソウ ケン」の やまと こと‥‥
( )】
●「創建」の大和言‥‥
建て創め
【●「ソウ ケン」の やまと こと‥‥
たて はじめ】
●例‥‥
( )
[譯き]
靑井阿蘇神社の創建は806年である。
【●たぐひ‥‥
( )
[とき]
おを ゐ アソ ジンジャ の ソウ ケン は ハッピャク ロク ネン で ある。】
●例‥‥
靑井阿蘇神社の建て創めは八〇六年なり
[譯き]
靑井阿蘇神社の創建は806年である。
【●たぐひ‥‥
あを ゐ アソ の かみ やしろ の たて はじめ は やも む とせ なり
[とき]
おを ゐ アソ ジンジャ の ソウ ケン は ハッピャク ロク ネン で ある。】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス
●「健康だ」の大和言‥‥
( ),( )
( ),( )
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【●「ケンコウだ」の やまと こと‥‥
( ),( )
( ),( )
( ),( )】
●「健康だ」の大和言‥‥
健よかなり,康よかなり
健やかなり,康やかなり
健なり,康なり
【●「ケンコウだ」の やまと こと‥‥
すくよかなり,すくよかなり
すくやかなり,すくやかなり
まめなり,まめなり】
●例‥‥
( )
[譯き]
健康を有難う御座います。
【●たぐひ‥‥
( )
[とき]
ケンコウ を ありがたう ゴザい ます。】
●例‥‥
健よかなるを畏く候ふ
[譯き]
健康を有難う御座います。
【●たぐひ‥‥
すくよかなる を かしこく さもらふ
[とき]
ケンコウ を ありがたう ゴザい ます。】
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス