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言の葉【ことのは】

終止形 + 引用の格助詞「と」(古典文法)

●終止形 + 引用の格助詞「と」の例 1‥‥
「今日せむ」と言ふ。
【「けふ せ む」と いふ。】

[訳]「今日する」と言う。

「せ」:動詞「す」の未然形。
「む」:意志の助動詞「む」の終止形。

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●終止形 + 引用の格助詞「と」の例 2‥‥

今はただ
「思ひ絶えなむ」
とばかりを
人づてならで
言ふよしもがな
【いま は ただ
「おもひ たえ な む」
と ばかり を
ひとづて なら で
いふ よし もが な】
([出典]後拾遺集 藤原道雅)

[訳]
今はただ、
「あなたへの想いを絶ってしまおう」
という一言だけを、
人伝【ひとづて】ではなく、
直接会って言う術【すべ】があってほしいものだ。

[意訳]
今はただ、
「想いを断ち切る」
という一言だけを、
伝言ではなく、
直接会って言う手立て【てだて】がほしい。

「な」:完了の助動詞「ぬ」の未然形。
「む」:意志の助動詞「む」の終止形。
「もがな」:願望の意(「~であってほしい」)。願望の終助詞「もが」+願望の終助詞「な」。

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●その他‥‥
引用の格助詞「と」の直前語は、
終止形以外もある。

 
≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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