{ ポイント }
天武天皇の国づくり
●原文
敷英風
【●ゲンブン
フ エイ フウ】
●書き下し文 1
英風を敷き
【●かきくだしブン 1
エイフウ を しき】
●書き下し文 2
英しき風を敷き
【●かきくだしブン 2
うつくしき すがた を しき】
(「敷」:行き渡らせる.
「英」:美しい.
「風」:柄.気風.)
●訳
(天武天皇は、)美しい国柄を行き渡らせ、
【●ヤク
てんむてんのう は うつくしい くにがら を ゆきわたらせ】
(「国柄」:国の性質.)
●古事記傳(本居宣長)より
敷英-風
英風を敷きて
英風は英聖の風教なり。
【●ふることふみ つたへ(もとおり のりなが)より
フ エイ フウ
エイ フウ を しき て
エイ フウ は エイ セイ の フウキョウ なり】
●「敷」(部首)・・・
攵(ぼくづくり)
●「敷」(読み)・・・
フ
し(く)
●「敷」(意味)・・・
敷(し)く。広げる。
敷(し)く。隅々(すみずみ)まで行き渡らせる。
●「敷」(漢字の成り立ち)・・・
・「旉」・・・
「草の芽」の形 +
「田畑」の形 +
「右手」の形
↓
「稲の苗をしきならべる」の意味
・「攵」・・・
「卜」:「ボクッという音を表す擬声語」+
「又」:「右手」の形
↓
「たたく」「軽くたたく」の意味
・「旉」+「攵」
↓
「敷(し)く」「行(ゆ)き渡らせる」の意味。
●「英」(読み)・・・
エイ
はな
ひい(でる)
●「英」(意味)・・・
美しい。
英(ひい)でている。優(すぐ)れている。
●「英」(漢字の成り立ち)・・・
「艸」:「並び生えている草」の形.
「央」:「首かせを付けられた人」の形.
上記の漢字の成り立ちに関係なく,同音の「景(エイ)」と同じ意味の「高まる光」という意味を持つようになった。
↓
(意味)「光り輝く花」
↓
(意味)「美しい。」
(意味)「英(ひい)でている。優(すぐ)れている。」
●「風」(部首)・・・
風(かぜ)
●「風」(読み)・・・
フウ
かぜ
すがた
●「風」(意味)・・・
風。空気の流れ。
姿。様子。有様。
世の中の動き。
●「風」(漢字の成り立ち)・・・
「風を孕(はら)む帆(ホ)」の形 +
「風雲に乗る龍(たつ)」の形
↓
①(意味)「風」→(転じて)→(意味)「空気の流れ」
②(意味)「姿」→(転じて)→(意味)「様子」「有様」
→(転じて)→(意味)「世の中の動き」
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』
(アクセス日:2017/9/10)
・古事記をそのまま読む
(アクセス日:2017/9/10)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第137回)
(アクセス日:2017/9/10)
・語源事典
https://okjiten.jp/index.html
(アクセス日:2017/9/10)