【キーフレーズ】
「らむ」「けむ」「む」
「らむ」「けむ」「む」の終止形と連体形の見分け方
「らむ」「けむ」「む」は、終止形と連体形が同じ。
●終止形
① そこで文が終わっていたら「終止形」。
② そこで文が終わっていなくとも、後に助詞「と」「とて」「など」がある時は「終止形」。
①(例)
心細しと思ふらむ。
②(例)
おどろかさんずらむと待ちゐたるに~
→ 助詞「と」が接続するので、助動詞「らむ」は終止形。
●連体形
①そこで文が終わっていても、「ぞ・なむ・や・か」を受けて文を結ぶときは「連体形」(係り結びの法則)。
②格助詞「の・が」を付けた主語を受けて述語になるときは「連体形」。和歌に多い。
③伝聞の「~とかいう」という意味になるときは「連体形」。後ろに体言が省略されていることが多い。
②(例)
しづ心なく花の散るらむ。
→ 「の」を付けた「花」(主語)を受けて述語になる「らむ」であるから、「らむ」は連体形。
ここでは、「どうして~なのだろう」という意味の、原因推量の助動詞「らむ」の連体形。
③(例)
選りてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。
→「選んでこの木だけに留まるという言い伝えにもあるように、他の花とは、まるで違うのだ」
上の例では、訳してみて、「~という」の後ろに「話」「言い伝え」などの体言を付けて意味が通る。
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
≪關はり有る文章【かかはり ある ふみ あや】(関連記事)≫
・連体形と終止形(古典文法)1
・連体形と終止形(古典文法)2
・「連体形」(古典文法)