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文花【あやはな】(文学)

柿本人麻呂 ひむがしの

東の 野に炎の 立つ見えて
返り見すれば 月傾きぬ

 
ひむがしの のにかぎろひの たつみえて
かへりみすれば つきかたぶきぬ

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萬葉集め
【よろづはつめ】

 
柿本人麻呂 
(六六〇年生まれ)
【かきのもと の ひとまろ
(むも むと とせ うまれ)】

 
●譯き【とき】
東の野に日の出前の光が射し始めるのが見えて、
振り返って西の方を見ると、月が沈みかけてゐた。

 
●言葉
「かぎろひ」:明け方に射す太陽の光。
「かたぶく」:月が沈みかける。
「ぬ」:完了の助動詞。
「かたぶきぬ」:沈みかけ始めた。

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●說き【とき】
・早朝、柿本人麻呂が軽皇子【かる の みこ】に従って狩りに出かけたときの歌。
・「東方の日の出前の光の射し始め」と「西方の月の沈み始め」をほぼ同時に見た状景を詠んだ歌。
・軽皇子(後の第42代文武天皇【あやたける の すめらみこと】)を昇る太陽に、亡くなった父の草壁皇子【くさかべ の みこ】を月に喩【たと】へた。

 
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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万葉集 天海に雲の波立ち

【キーフレーズ】
天(あま)と海(あま)

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柿本人麻呂
(かきのもと の ひとまろ)

萬葉集 巻7 1068

●原文
天海丹 雲之波立 月船
星之林丹 榜隠所見

●訓読
天海に 雲の波立ち 月の船
星の林に 榜ぎ隠る見ゆ

●仮名
あまうみに くものなみたち つきのふね
ほしのはやしに こぎかくるみゆ

●訳
海に波が立ち、船が隠れるように、天(あま)に雲が立ち込め、月が星の中を漂い、隠れてしまった。

●感想
美しい歌。

●時代背景
安倍晴明の先祖である阿倍御主人(あべ の みうし)(キトラ古墳埋葬者)が天文学者として天武天皇に重用されていた時代。
阿倍御主人はかぐや姫に登場。

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●「あま」の語源
水溜(た)まり。
「あむ(合む)」([意味] 合う,集まる,溜まる)が名詞に変化。

●「あ」に音に込められている意(こころ)1
「上へ上へと上がっていく様(さま)」
例:天(あま)

●「あ」に音に込められている意(こころ)2
「命(いのち)・物事に触(ふ)れて心が動く様(さま)」
例:有(あ)る。新(あたら)しい。

●「あ」の数霊(かずたま)
18。

●「天(あま)」の意味
① 人間には見えない世界に在(あ)る天上界。
② 天上界に在(いま)す神。
③ 天上界に在(いま)す神の命(めい)を受けて人間界を治める者。
④ 人間界に対する自然界。
⑤ 大空。

●天(あま)と海(あま)
海は「あま」と読む。
天も「あま」と読む。
『古事記』には〈 「高」の次の「天」は「あま」と読む」 〉とある。

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≪参考文献等≫
・中西進 (翻訳) (1978)『万葉集 全訳注原文付』講談社
・吉野信子 (2015)『カタカムナ 言霊の超法則』徳間書店
・前田富祺 (監修) (2005)『日本語源大辞典』小学館
・やまとことばのみちのく

(アクセス日:2017/5/28)

 
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万葉集 新しき年の始めの

大伴家持(おおとものやかもち)

萬葉集 巻20 4546

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●題詞
三年春正月一日 於因幡國廳 賜饗國郡司等之宴謌一首

三年春正月一日に、因幡國(いなばのくに)の廳(ちやう)にして、饗(あへ)を國郡(くにのこほり)の司等(つかさたち)に賜(たま)はりて宴(うたげ)せし謌(うた)一首

天平宝字2年6月に因幡国守に任ぜられ家持が、明くる年、元旦に国庁館に郡臣等を集めて新年の宴をし、その時の思いを歌にした。

 
●原文
新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰

 
●訓読
新しき 年の始めの 初春の 
今日降る雪の いや重け吉事

 
●仮名
あらたしき としのはじめの はつはるの
けふふるゆきの いやしけよごと
(あらたしき としのはじめの はつはるの
きょうふるゆきの いやしけよごと)

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●訳 1
新しき 年の始めに 降る雪の 積もるがごとく 吉事(よごと)積もれよ

●訳 2
新しい年の始め。
今日は、雪が降りしきり、沢山積もっている。
同じように良い事も積もってほしい。

 
≪参考文献≫
・中西進 (翻訳) (1978)『万葉集 全訳注原文付』講談社

 
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