【キーフレーズ】
逆の注連縄
●左末右本の注連縄
一般的な形態。
穢れた人間や霊が神域に入って来られない様に、張り巡らす。
●左本右末の注連縄
御神霊が内から外に出れない様に張り巡らされてる。
御神霊が外に出れないように閉じ込めている。
●左本右末の注連縄が張られている神社の話
島根県出雲地方のとある神社。
神明神社。
山の上にある。
山を下り、浜辺まで続く道が参道となっている。
鳥居は三基。境内、山麓、浜辺にある。
表向きは天照大御神を祭っているが実際は御霊信仰(ごりょうしんこう)。
明治時代に、役人が調査したが、御祭神が分からなかったため、神明神社としてしまった。
御霊信仰とは祟り神、悪霊、怨霊と言われる悪い神様をお祀りして鎮めることで、良い神様に変えて信仰するというもの。
海は異海(異界)と繋がっているため、海の方から、見えないものが往々にしてやって来る。
特に、この神社周辺の地域は、地形や潮のせいで、海岸に滞留する。
溜まり過ぎると、町に溢れ出して、町中での禍災(かさい)や漁業船の事故が多発する。
そのため滞留する前に、人間の側(がわ)から御神霊をお迎えして神社に祭っている。
祭事は、大晦日から元旦にかけて行われる。
参加者は、各家の当主(男子に限る)のみ。
心身を清め、羽織袴に着替えた後、海岸へ集合。
開始は21時。
宮司が海に向かって祝詞をあげ、御神霊をお迎えする。
その後、宮司を先頭に参道を通り境内まで進む。
御神霊に、社殿に鎮座して頂く。
その後、御神霊に歌舞を披露したり、明け方まで、御神霊と食事を共にさせていただく。
《参考文献等》
・戸部民夫 (2004)『「日本の神様」がよくわかる本』PHP研究所
・柳田国男 (1983)『日本の昔話』新潮社
・折口信夫 (2002)『古代研究〈1〉祭りの発生』中央公論新社
≪今日の言葉≫
「神のみを怖(おそ)れよ」
ビスマルク