{ ポイント }
「号」の意味:「さけぶ」→「よぶ」「別名」「合図」
●「号」(部首)‥‥
口(くち)
●「号」(読み)‥‥
ゴウ
さけ(ぶ)
よ(ぶ)
よびな
●「号」(意味)‥‥
① 号(さけ)ぶ。大声を出す。
(例:怒号,呼号,叫号,哀号)
② 号(よ)ぶ。呼ぶ。
(例:号令)
③ 号(よびな)。別名。本名以外の名前。
(例:諡号,元号,雅号,屋号)
④ 人に何かを分からせるための手段(声、身振り、音、しるし、合図)。
(例(身振り):手旗信号,)
(例(音):モールス信号,)
(例(しるし):記号,暗号,青信号,号衣(ゴウイ 使用人の仕着せとした家紋入りの衣服))
(例(合図):号火(合図の火),号音(合図の音))
⑤ 順序を示す字。(例:1号,2号)
●「号」(漢字の成り立ち)‥‥
生き埋めにされた人が大きく口を開けて泣き叫んで
あまりの悲しみにかがみこんでしまう人の形。
●「号」(漢字の成り立ちの解説)‥‥
・罪人は、手を後ろで縛られ、正座をした状態で体を縛られ、布で巻かれて、頭から下を穴に埋められた。
・正座の状態にさせるのは、掘る深さを出来るだけ浅くするためであった。
●原義から意味を導く 1‥‥
「号」の原義「さけぶ」
↓
(意味):② 号(よ)ぶ。呼ぶ。
↓
「本名以外の名前を普段呼ぶ」ことから、
↓
(意味):③ 号(よびな)。別名。本名以外の名前。
●原義から意味を導く 2‥‥
「号」の原義「さけぶ」
↓
「人に何かを分からせるために叫ぶ」ことから、
↓
(意味):④ 人に何かを分からせるための手段(声、身振り、音、しるし、合図)。
●原義から意味を導く 3‥‥
「号」の原義「さけぶ」
↓
「人に何かを分からせるために叫ぶ」ことから、
↓
(意味):⑤ 順序を示す字。(順序を明確にするのは、人に何かを分からせるためなり。)
●「記」と「号」の違い‥‥
「記」の意味の一つである「人に何らかの意味を理解させる目的で、その意味を付された、書き記したもの。」(=「しるし」)は、「書き記したもの」(例:記号)に限定されるが、「号」の意味の一つである「人に何らかの意味を理解させる目的で、その意味を付された物事」は、「書き記したもの」も含め、あらゆる「物事」( 音(例:モールス信号),身振り(例:手旗信号),現象(例:号火(合図の火)) )を含む。
言ひ換えれば、
「記」のほうは、「人に何らかの意味を理解させる手段」が「書き記したもの」限定。
「号」のほうは、「人に何らかの意味を理解させる手段」が無限定。
≪参考文献等≫
・白川静 (2003)『常用字解』平凡社
・語源辞典
https://okjiten.jp/kanji876.html
(アクセス日:2017/11/6)