(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)
【キーフレーズ】
具体的方針と能力
●原文
曰主孰有道
ヱツ シユ ジユク イウ ダウ
[曰主孰有道
エツ シュ ジュク ユウ ドウ]
●書き下し文 1
曰(いは)く、主(しゆ)、 孰(いづ)れか有道(いうだう)なる、
[曰(いわ)く、主(しゅ)、 孰(いず)れか有道(ゆうどう)なる、]
●書き下し文 2
曰(いは)く、主(しゆ)、 孰(いづ)れか道(みち)有(あ)る、
[曰(いわ)く、主(しゅ)、 孰(いず)れか道(みち)有(あ)る、]
●訳 1
敵と味方の君主のどちらが、民衆の支持を得ているか?
●訳 2
敵と味方の何方(どちら)の君主が具体的方針を持っているか?
●解釈
・道・・・
具体的方針。明確なビジョン。
・有道・・・
具体的方針や明確なビジョンを持っていること。
・「この道を進めば大丈夫だ」という明確なビジョンを持つことで、民衆の支持を得やすくなる。
●言葉の意味
・曰(読み)・・・
ヱツ
い(ふ),いは(く),のたま(はく)
[エツ
い(う),いわ(く),のたま(わく)]
・主(読み)・・・
シユ,ス
おも,ぬし,あるじ,つかさど(る)
[シュ,ス
おも,ぬし,あるじ,つかさど(る)]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか)]
・有(読み)・・・
イウ,ウ
あ(る),も(つ)
[ユウ,ウ
あ(る),も(つ)]
・道(読み)・・・
ダウ,タウ
みち,い(ふ),みちび(く)
[ドウ,トウ
みち,い(う),みちび(く)]
●原文
將孰有能
シヤウ ジユク イウ ノウ
[将孰有能
ショウ ジュク ユウ ノウ]
●書き下し文 1
將(しやう)、孰(いづ)れか有能(いうのう)なる、
[将(しょう)、孰(いず)れか有能(ゆうのう)なる、]
●書き下し文 2
將(しやう)、孰(いづ)れか能(のう)有(あ)る、
[将(しょう)、孰(いず)れか能(のう)有(あ)る、]
●訳
どちらの将軍が有能か?
●言葉の意味
・将[將](読み)・・・
シヤウ
はた,ひき(ゐる),まさ(に)
[ショウ
はた,ひき(いる),まさ(に)]
・能(読み)・・・
ノウ,ダイ,ドウ
あた(ふ),はたら(き),よ(く),よ(くする)
[ノウ,ダイ,ドウ
あた(う),はたら(き),よ(く),よ(くする)]
《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫