●ヤ行上一段活用の単語(三つのみ)…
射(い)る
沃(い)る
鋳(い)る
タグ: 古典文法【いにしへふみあやのり】
形容動詞の活用(種類) (古典文法)
●形容動詞の活用の種類・・・
ナリ活用
タリ活用
●形容動詞の構成・・・
語幹 + 活用語尾
(例)
あはれなり = あはれ + なり
堂々たり = 堂々 + たり
●ナリ活用・・・
「な」+ 動詞のラ行変格活用と同型 + 「に」(連用形)
↓
「な」+「ら/り/り/る/れ/れ」+「に」(連用形)
↓
「なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ」
●ナリ活用の形容動詞の特徴・・・
大和言葉(和語)が多い。
(例) おろかなり,あはれなり
●タリ活用・・・
「た」+ 動詞のラ行変格活用と同型 + 「と」(連用形)
↓
「た」+「ら/り/り/る/れ/れ」+「と」(連用形)
↓
「たら/たり・と/たり/たる/たれ/たれ」
●タリ活用の形容動詞の特徴・・・
漢語が多い。
(例) 漫々たり,堂々たり
≪参考文献≫
・望月光 (2014)『古文教室 古典文法編』旺文社
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
≪関連記事≫
・活用とは (古典文法)
{ ポイント }
イ段とウ段の文字が変化
上二段活用の動詞「起く」を例にとると、
未然形:起き(ず)
連用形:起き(たり)
終止形:起く
連体形:起くる(とき)
已然形:起くれ(ども)
命令形:起きよ
変化する文字は
「き」(イ段)と
「く」(ウ段)の二段。
「き」は、ウ段の「一つ上の段」であるイ段だから上一段。
二文字(「二段」)が変化し、そのうち一つが「上一段」なので、
「上二段」という名称になった。
(「か」「き」の「上の二段」ということではない)
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
≪関連記事≫
・動詞の活用(種類) (古典文法)
・動詞の活用(種類の見分け方) (古典文法)
・動詞の活用について (古典文法)
・上一段活用 (古典文法)
単語を下記のようにつなげてみる。
(終止形と命令形は省略)
未然形 + ず
連用形 + たり
終止形
連体形 + とき
已然形 + ども
命令形
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
≪関連記事≫
・動詞の活用(種類) (古典文法)
・動詞の活用について (古典文法)
・上一段活用 (古典文法)
動詞の活用について (古典文法)
9種類の動詞の活用のうち、
以下の4種類の活用に共通していること等をまとめました。
1 上一段活用
い/い/いる/いる/いれ/いよ
2 下一段活用
え/え/える/える/えれ/えよ
3 上二段活用
い/い/う/うる/うれ/いよ
4 下二段活用
え/え/う/うる/うれ/えよ
●上一段活用,下一段活用の
終止形,連体形,已然形,命令形の最後の文字・・・
る、る、れ、よ
●上一段活用,下一段活用,上二段活用,下二段活用の
連体形,已然形,命令形の最後の文字・・・
る、れ、よ
●上一段活用の最初の文字・・・
い
●下一段活用の最初の文字・・・
え
●上二段活用の最初の文字・・・
い、い、う、う、う、い
●下二段活用の最初の文字・・・
え、え、う、う、う、え
●上二段活用,下二段活用の
終止形,連体形,已然形の最初の文字・・・
う、う、う
●4種類の活用の覚え方
るるれよ
るれよ
いいうううい
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
≪関連記事≫
・動詞の活用(種類) (古典文法)
・上一段活用 (古典文法)
上一段活用 (古典文法)
{ ポイント }
い + るるれよ
●上一段活用である「いる」の活用
未然形・・・い
連用形・・・い
終止形・・・いる
連体形・・・いる
已然形・・・いれ
命令形・・・いよ
●「上一段」という名前の理由
活用の全てに
「い段」の音(ひ,い,き,に,み,ゐ)
が使われていて、
縦に「あいうえお」と書いた時、
「う」の「一つ上の段」が「い」だから、
「上一段」という名前が付けられた。
●覚え方
{ひ・い・き・に・み・ゐ}る
( えこひいきして見る )
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
未然形とは (古典文法)
敬語の動詞の種類(古典文法)
{ ポイント }
補助動詞と本動詞
●敬語の動詞の種類・・・
補助動詞
本動詞
●補助動詞・・・
『動詞 + 補助動詞』の形を成す。
動詞の「意味」とその動詞の「敬意」を別々の動詞で表す。
●本動詞・・・
動詞の「意味」とその動詞の「敬意」を一つの動詞で表す。
●補助動詞と本動詞の見分け方・・・
直前に動詞があれば補助動詞、なければ本動詞。
●補助動詞の例・・・
のぼ(登)りはべ(侍)り。
[訳] 登ります。
[解説] 「はべり」は、丁寧語の補助動詞。
●本動詞の例・・・
我傍らに侍り。
【われ かたはらに はべり】
[訳] 私はそばにおります。
[解説]「はべり」は、丁寧語の本動詞。
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1987)『文法と語彙』岩波書店
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
補助動詞の「はべり」(古典文法)
{ポイント}
補助動詞の「はべり」は丁寧語。
はべり(侍り)
・品詞の種類・・・
動詞(補助動詞)
・敬語の種類・・・
丁寧語
・活用の種類・・・
ラ行変格活用
・口語訳・・・
「~ます」「~おります」
・直前の動詞の語形・・・
動詞の連用形に付く
・直前の動詞の語形が連用形である理由・・・
「補助動詞」は「動詞」で、
「動詞」は「用言(動詞,形容詞,形容動詞)」だから、
「補助動詞」は「用言」。
「用言」の直前に付く動詞の語形は「連用形」。
ゆえに、「補助動詞」の直前の動詞の語形は「連用形」。
つまり、必ず「動詞の連用形」+「補助動詞」の構成になる。
●補助動詞「はべり」を使ひたる例文 1…
「開き侍り」
[訳き] 開きます。
——
●ホジョドウシ 「はべり」を つかひたる レイブン 1…
「あき はべり」
[とき] ひらき ます。
——
●補助動詞「はべり」を使ひたる例文 2…
「今まで留まり侍るがいと憂きを」([出典] 源氏物語 桐壺)
[直訳き] 今まで生き残つて居りますのがとても憂ひので、
[訳き] 斯うして生き長らへて居りますのがとても憂ひゆゑ、
——
●ホジョドウシ 「はべり」を つかひたる レイブン 1…
「いままで とまり はべるが いと うきを」([シュッテン] ゲンジものがたり きりつぼ)
[じかとき] いままで いきのこつて をりますのが とても つらひので、
[とき] かうして いきながらへて をりますのが とても つらひゆゑ、
——
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1987)『文法と語彙』岩波書店
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
自動詞と他動詞(古典文法)
【ポイント】
「〇〇が××を△△する」
●自動詞と他動詞の見分け方
「〇〇が××を△△する」という言い方にして、意味が通らないのが自動詞。
「〇〇が××を△△する」という言い方にして、意味が通るのが他動詞。
●自動詞の例
・「あふ(合ふ)」(自動詞)を使った例・・・
この夢うつつにあふ。
( この夢(ゆめ)現(うつつ)に合(あ)ふ。)
[訳] この夢が現実と一致する。
この場合、「夢が現実を一致する」という言い方では、意味が通らない。
つまり、「〇〇が××を△△する」という言い方では、意味が通らないので、「あふ(合ふ)」は自動詞。
●他動詞の例
・「あふ(和ふ)」(他動詞)を使った例・・・
其を鮨にあふ。
( 其(そ)を鮨(すし)に和(あ)ふ。)
[訳] それを鮨(すし)に和(あ)える。
この場合、「私がそれを(鮨に)和える」という言い方で、意味が通る。
つまり、「〇〇が××を△△する」という言い方で、意味が通るので、「あふ(和ふ)」は他動詞。
●自動詞と他動詞
主語を「自」、目的語を「他」とすると、
「自」のみに関わる動詞が、「自動詞」。
「自」と「他」に関わる動詞が、「他動詞」。
≪参考文献≫
・中原敬一 (1984)『1日1題・30日完成 古典文法』日栄社
・大野晋 (1987)『文法と語彙』岩波書店
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店