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誘い
~現代言葉~
●原文
利而誘之
【●ゲンブン
リ ジ ユウ シ】
●書き下し文
利にして之を誘ひ
【●かきくだしブン
リ に して これ を さそひ】
(に:形容動詞ナリ活用型の活用.断定の助動詞「なり」の連用形.直前語は連体形.
して:接続助詞.「~の状態で・~で」の意.直前語は連用形.)
●直訳
有利である状態で、敵を誘い、
●訳
偽りによって、敵に有利と思わせて、敵を誘い出し、
~大和言(やまとこと)~
●原文
利而誘之
【●もとあや
リ ジ ユウ シ】
●書き下し
利ひにして之お誘ひ
【●かきくたし
もひ に して これ お さそひ】
●「利(も)ひ」の語源・・・
「利(も)ふ・儲(も)ふ」か名詞に化く
【●「もひ」の こともと・・・
「もふ・もふ」か な こと に はく】
●「もふ」に当つる漢語・・・
燃ふ,萌ふ,茂ふ,利ふ,儲ふ
【●もふ に あつる からかた・・・
もふ,もふ,もふ,もふ,もふ】
●「もふ」の意・・・
上がる(燃ふ),勢い付く(萌ふ,茂ふ),栄える,優れる(利ふ,儲ふ)
【●もふ の こころ・・・
あがる(もふ),いきおいづく(もふ,もふ),さかえる,すぐれる(もふ,もふ)】
●「もふ」の語根の心・・・
正の方向に離れる
↓
(「もふ」の意)
↓
上がる →(+α)→ 勢い付く →(+α)→ 栄える→(+α)→ 優れる
【●もふ の ことね の うら・・・
セイ の ホウコウ に はなれる
↓
(「もふ」の こころ)
↓
あがる →(+α)→ いきおいづく →(+α)→ さかえる→(+α)→ すぐれる】
≪参考文献≫
・金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫
・前田富祺 (監修) (2005)『日本語源大辞典』小学館
・やまとことばのみちのく
(アクセス日:2017/9/6)