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孫子韓非子君主論戰爭論ショーペンハウアーセネカ兵法

孫子(そんし) 13

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

【キーフレーズ】
天地と法令

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●原文
天地孰得
テン ヂ ジユク トク
[ テン ジ ジュク トク]

●書き下し文
天地 孰れか得たる
てんち いづれ か えたる
[ てんち いずれ か えたる]

●訳
自然的条件、地理的条件はどちらが有利であるか、

●言葉の意味
・天(読み)・・・
テン
あま,あめ,そら
[ テン
あま,あめ,そら ]
・地(読み)・・・
ヂ,チ
つち,ところ
[ ジ,チ
つち,ところ ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・得(読み)・・・
トク
え(る),う(る)
[ トク
え(る),う(る) ]

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●原文
法令孰行
ハフ レイ ジユク カウ
[ ホウ レイ ジュク コウ ]

●書き下し文
法令 孰れか行なはる
はふれい いづれか おこなはる
[ 法令 孰れか行なわる
ほうれい いずれか おこなわる]

●訳 1
法令はどちらが、より守られているか、

●訳 2
法令はどちらが、より機能しているか、

●言葉の意味
・法(読み)・・・
ハフ
のっと(る),のり
[ ホウ
のっと(る),のり ]
・令(読み)・・・
レイ,リヤウ
いひつけ,をさ,よ(ひ)
[ レイ,リョウ
いいつけ,おさ,よ(い) ]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか) ]
・行(読み)・・・
ギヤウ,カウ
い(く),おこな(ふ),ゆ(く)
[ ギョウ,コウ
い(く),おこな(う),ゆ(く) ]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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孫子(そんし) 12

(正字体・歴史的仮名遣いと[現代字体・現代仮名遣い]を併記)

【キーフレーズ】
具体的方針と能力

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●原文
曰主孰有道
ヱツ シユ ジユク イウ ダウ
[曰主孰有道
エツ シュ ジュク ユウ ドウ]

●書き下し文 1
曰(いは)く、主(しゆ)、 孰(いづ)れか有道(いうだう)なる、
[曰(いわ)く、主(しゅ)、 孰(いず)れか有道(ゆうどう)なる、]

●書き下し文 2
曰(いは)く、主(しゆ)、 孰(いづ)れか道(みち)有(あ)る、
[曰(いわ)く、主(しゅ)、 孰(いず)れか道(みち)有(あ)る、]

●訳 1
敵と味方の君主のどちらが、民衆の支持を得ているか?

●訳 2
敵と味方の何方(どちら)の君主が具体的方針を持っているか?

●解釈
・道・・・
具体的方針。明確なビジョン。
・有道・・・
具体的方針や明確なビジョンを持っていること。
・「この道を進めば大丈夫だ」という明確なビジョンを持つことで、民衆の支持を得やすくなる。

●言葉の意味
・曰(読み)・・・
ヱツ
い(ふ),いは(く),のたま(はく)
[エツ
い(う),いわ(く),のたま(わく)]
・主(読み)・・・
シユ,ス
おも,ぬし,あるじ,つかさど(る)
[シュ,ス
おも,ぬし,あるじ,つかさど(る)]
・孰(読み)・・・
ジユク
いづ(れ),たれ,つまび(らか)
[ジュク
いず(れ),たれ,つまび(らか)]
・有(読み)・・・
イウ,ウ
あ(る),も(つ)
[ユウ,ウ
あ(る),も(つ)]
・道(読み)・・・
ダウ,タウ
みち,い(ふ),みちび(く)
[ドウ,トウ
みち,い(う),みちび(く)]

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●原文
將孰有能
シヤウ ジユク イウ ノウ
[将孰有能
ショウ ジュク ユウ ノウ]

●書き下し文 1
將(しやう)、孰(いづ)れか有能(いうのう)なる、
[将(しょう)、孰(いず)れか有能(ゆうのう)なる、]

●書き下し文 2
將(しやう)、孰(いづ)れか能(のう)有(あ)る、
[将(しょう)、孰(いず)れか能(のう)有(あ)る、]

●訳
どちらの将軍が有能か?

●言葉の意味
・将[將](読み)・・・
シヤウ
はた,ひき(ゐる),まさ(に)
[ショウ
はた,ひき(いる),まさ(に)]
・能(読み)・・・
ノウ,ダイ,ドウ
あた(ふ),はたら(き),よ(く),よ(くする)
[ノウ,ダイ,ドウ
あた(う),はたら(き),よ(く),よ(くする)]

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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孫子(そんし) 11

[キーセンテンス]
7つの基準をもとに情報収集する

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●原文
故校之以計
コ コウ シ イ ケイ

●書き下し文
故(ゆえ)に之(これ)を校(くら)ぶるに計を以(もっ)てして、

●訳 1
ゆえに、比較検討するに、七つの基準をもとにし、

●訳 2
ゆえに、七つの基本条件で比較検討して、

●解釈
・「校(くら)ぶる」・・・
比較する。比較検討する。照らし合わせて考える。
・「計」・・・
基準。基本条件。項目。

●言葉の意味
・故(正規の読み)・・・

ゆえ,ことさら(に),ふる(い),もと
・校(正規の読み)・・・
コウ,キョウ
あぜ,かせ,かんが(える),くら(べる)
・校(正規の意味)・・・
① 学校。
② 陣営に設置した柵。
③ 比(くら)べる。照らし合わせて考える。
④ かせ。手足にはめる刑具。
・之(正規の読み)・・・

これ,こ(の),の,ゆ(く)
・以(正規の意味)・・・

もち(いる),もっ(て)
・計(正規の読み)・・・
ケイ
はか(らう),はか(る),かぞ(える)
・計(正規の意味)・・・
① 企てる。計画する。
② 計(かぞ)える。数を調べる。

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●原文
而索其情
ジ サク キ ジョウ

●書き下し文
その情を索(もと)む。

●訳
情報を手繰(たぐ)り寄せる。

●解釈
・「情」・・・
実情。正しい情報。敵味方の状態。彼我の優劣。

●言葉の意味
・而(正規の読み)・・・

しか(して),しか(も),しか(るに),しか(れども),なんじ
・索(正規の読み)・・・
サク
さが(す),もと(める),つな,なわ
・索(正規の意味)・・・
① 索(さが)す。索(もと)める。手繰(たぐ)り寄せる。
② つな。なわ。縄(なわ)を綯(な)う。
・其(正規の読み)・・・

そ(の),それ
・情(正規の読み)・・・
ジョウ,セイ
こころ,なさ(け),おもむき
・情(正規の意味)・・・
① こころ。心持ち。気持ち。
② なさけ。思いやる心。
③ おもむき。味わい。
④ 実際の姿。物事の実際の様子。

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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孫子(そんし) 10

[キーフレーズ]
深い理解

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●原文
法者 曲制 官道 主用 也

●書き下し文
法とは、曲制・官道・主用なり。

●訳
法とは、軍隊の部署割りの法規・官吏の職制や権限の法規・君主指揮権の法規である。

●解説
法律を確(しっか)りと理解していなければ失敗する。

 
●原文
凡此五者 將莫不聞 知之者勝 不知者不勝

●書き下し文
凡(およ)そ此(こ)の五者は、将(しょう)は聞かざること莫(な)きも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。

●訳
これら5つの事は政治に関わる者なら誰でも知っているが、それをより深く理解している者は勝ち、理解していない者は勝てない。

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《今日の言葉》 1
「心理的側面から考えるに、大衆に示す敵の数は一つに限るべきである。
これが最も成果を得ることができる。
ゼロでも二つ以上でもなく一つである」

 
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《今日の言葉》 2
「本をしっかり理解しながら読むことで人間は成長する。
本は著者が苦労して身に付けた事を容易に手に入れさせてくれる」
ソクラテス

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孫子(そんし) 9

[キーフレーズ]
将軍の特質

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●原文
將者智信仁勇嚴也

●書き下し文
将(しょう)とは、智・信・仁・勇・厳なり。

●訳
将軍たるもの、智・信・仁・勇・厳の五徳を備えているべきである。

●言葉の意味
・「智」(部首)・・・


・「智」(正規の読み)・・・
チ,さと(い),ちえ
・「智」(正規の意味)・・・
さとい。かしこい。
ちえ。物事を理解し、物事に対処する能力。物事の本質を理解し、知らせる。
・「知」(漢字の語源)・・・
「矢」(古代中国では矢は神聖な物)+「口」(神への祈りの祝詞(のりと)を入れる器(うつわ))。
古代中国では祝詞を「サイ」(うつわ)に入れ、矢を折るという行為をすることで、神様から大切なお告げを頂いていた。
つまり、「神様からのお告げを知る」→「知る」行為すべてにこの漢字が用いられるようになった。
・「智」(漢字の語源)・・・
「知」(知る)+「日」(太陽)
→ 太陽(神様)のように物事の本質を理解できること
→ 智(さと)い。賢(かしこい)い。

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●解説
智・・・知恵、知性
信・・・信用する、信頼される人である
仁・・・慈しむ、愛する心
勇・・・勇気、決断力
厳・・・自分に厳しい、規律正しい

 
《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
《今日の言葉》
「生を必するものは死し、死を必するものは生く」
上杉謙信

 
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孫子(そんし) 8

[キーフレーズ]
自然的条件と地形的条件

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●原文
天者陰陽寒暑時制也

●書き下し文
天とは、陰陽いんよう寒暑かんしょ時制じせいなり。

●訳
「天」とは自然的条件のこと。即ち、天候、気温、時間。

●言葉の意味
・陰・・・
曇り。
・陽・・・
晴れ。

●原文 1
地者遠近險易廣狹死生也

●原文 2
地者、遠近・險易・廣狹・死生也。

●書き下し文
地とは遠近えんきん険易けんい広狭こうきょう死生しせいなり。

●訳 1
「地」とは地形的条件のこと。即ち、距離、けわしさ、広さ、安全。

●訳 2
「地」とは地形的な条件のことである。具体的には、距離の遠近、地勢のけわしさ、地域の広さ、地形の有利不利をる。

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《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
《今日の言葉》
「完全無欠に実施されたる戦術は無臭味なり」
(完璧な戦術は、無駄な動きが無いため、人の記憶にも残らない)
秋山真之さねゆき
(1868~1918)
(秋山真之はクラウゼヴィッツ、ブルーメ、マハンなどがあらわした戦争関連の名著めいちょを全て読み込んでいた。
なかでも、荻生徂徠おぎゅうそらいが注釈をほどこした『孫子国字解そんしこくじかい』は座右ざゆうの書であった。)

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孫子(そんし) 7

[キーフレーズ]
生死を共にする

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●原文
故可以與之死、可以與之生、而不畏危、

●書き下し文
ゆえこれすべく、これくべくして、あやうきをおそれざるなり。

●訳
(「道」とは、民衆の意思を統治者とうちしゃの意思に同化させる行為である。言い換えると、「道」とは、)民衆が、危険を恐れずに統治者とうちしゃと生死を共にしたいという気持ちにさせる内政政策である。

●解説
契約によらずに人の気持ちをつかむ内政政策が大事。

 
《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

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《今日の言葉》
「物事、小事より大事は発するものなり。油断すべからず」
伊達政宗
(1567~1636)

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孫子(そんし) 6

[キーフレーズ]
理念の共有

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●原文
道者 令民與上同意也

●書き下し文
みちとは、たみをしてうえおなじくせしむるなり

●訳
「道」とは、民衆の意思を統治者とうちしゃの意思に同化させる行為である。

●解説
「道」とは、民衆の思いを統治者の思いに同化させる内政政策(計画・活動)である。
共同体(組織)の理念・方針は、上から下まで共有(意思統一)されていなければならない。

 
《参考文献》
金谷治 (2000)『新訂 孫子』岩波文庫

 
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《孫子を学んだ人物》
毛利元就
(1497~1571)
『孫子』を熟読し、比類なき戦略家に成長。
厳島いつくしまの戦いは、最高の謀略戦の一つ。
『孫子』は毛利家に代々受け継がれ、幕末の長州藩士たちも孫子を読み込んでいた。

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孫子(そんし) 5

[キーフレーズ]
5つの基本事項

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●原文
一曰道、二曰天、三曰地、四曰將、五曰法、

●書き下し文
一に曰(い)わく道、ニに曰わく天、三に曰わく地、四に曰わく将、五に曰わく法、

●訳
5つの基本事項とは、
道・天・地・将・法。

●解説
戦争をするかしないかは、道・天・地・将・法という5つの基本事項にのっとって、決断すること。

 
≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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《今日の言葉》
「継続的な学習が、能力を解き放つ鍵となる」
チャーチル
(イギリスの政治家)
(1874~1965)
(同時代の人:
・第123代 大正天皇
1879~1926
在位 1912~1926
・マッカーサー 1880年生まれ)

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孫子(そんし) 4

[キーワード]
情報

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●原文
而索其情

●書き下し文
じょうさが

●訳
情報を集める

●言葉の意味
・情(読み)・・・
ジョウ。
・情(意味)・・・
物事の実際の様子。実際の姿。
(例:「情報」)
・情(漢字の成り立ち)・・・

「心臓」の形を表した字 →(意味)→ こころ
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「草が生える」形を表した字 →(意味)→ そだつ。
image3
 
「井戸の中のみ切った水」の形を表した字 →(意味)→
み切っている。
image2

→「こころ」+「青くみ切る」
→「いつわりのない心」「まこと(本当)」
→物事の実際の様子。実情。
・「青」が入る漢字に共通するイメージ・・・
けがれない。

・索(読み)・・・
サク。さが(す)。もと(める)。
・索(意味)・・・
さがす。もとめる。

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≪參ね物(參考文獻)【たづね もの(サンコウ ブンケン)】≫
・林達夫ほか (1972)『世界大百科事典』平凡社
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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≪今日の言葉≫
「断じて行えば鬼神きしんもこれを避く」
司馬遷しばせん
(紀元前145~紀元前86)
(同時代の人:
第10代 崇神すじん天皇
紀元前148~紀元前29
在位 紀元前97~紀元前29)