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文花【あやはな】(文学)

新古今集 独り寝る山鳥の尾の

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独り寝る 山鳥の尾の しだり尾に
霜置きまよふ 床の月影 

ひとりぬる やまどりのおの しだりおに
しもおきまよふ とこのつきかげ

藤原定家

新古今集 卷第五 秋歌下 0487

●意訳
寒い季節には、山鳥の垂(しだ)り尾に屡々(しばしば)霜が付く。
一人で寝ていた或(あ)る夜のこと、垂(しだ)り尾に付くような形の霜が、布団の上に置かれている?と思ったら、それは月の射す光だった。

●言葉の意味
・置き迷ふ・・・
霜が置いたのかと見間違う。
・霜を置く・・・
霜をいただく。霜を載(の)せる。

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●定家の歌の性質
定家にとって、歌とは、「心の中で感じていることを、そのまま述べる」ものではなかった。
彼は、歌から、「心の動きを、手を加えずに、外に出す」という性質を取り除いた。

●定家について
古(いにしえ)の文学世界の上に立ち、忘れ去られた王朝美を再び世に現そうとした。
後鳥羽院は、彼の美のみを求める姿勢に感銘を受け、『新古今集』の撰者に任命した。

 
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《今日の言葉》
「和歌というものは、人の耳をよろこばしめ、素直に人の共感をそそったら、それで充分のもので、高く気取った意味など持たせるものでない」
太宰治

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