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言の葉【ことのは】

「仮定逆接」1(古典文法)

●仮定まり逆接ぎ‥‥
・仮定まり且つ逆接ぎになりたる表し方
終はり止め形(形容詞は意活き連なり形)の
後に助け詞「と」「とも」
【●かり さだまり さか つぎ‥‥
・かり さだまり かつ さか つぎ に なり たる あらはし かた
・をはり とめ かた(かた さま こと は こころ いき つらなり かた) の
あと に たすけ こと「と」「とも」】

●仮定逆接‥‥
・仮定の表現形式、且つ逆接の表現形式になっている表現形式。
終止形(形容詞は連用形)+助詞「と」「とも」
【●カテイ ギャクセツ‥‥
・カテイ の ヒョウゲン ケイシキ、かつ ギャクセツ の ヒョウゲン ケイシキ に なっている ヒョウゲン ケイシキ。
・シュウシケイ(ケイヨウシ は レンヨウケイ) + ジョシ「と」「とも」】

 
●「仮定まり逆接ぎ」の譯き‥‥
【●「かり さだまり さか つぎ」の とき‥‥】
たとえ~ても… 
たとえ~としても… 
たとえ~たとしても…
たとえ~であっても…

●「仮定逆接」の訳‥‥
【●「カテイ ギャクセツ」の ヤク‥‥】
たとえ~ても… 
たとえ~としても… 
たとえ~たとしても…
たとえ~であっても…

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●「仮定まり逆接ぎ」の例 一‥‥
用ありて行きたりとも
その事果てなば
とく帰るべし
([出づる典]徒然草)
[譯き]爲可き事ありて行きたりとも
其の事果てなば
疾く帰るが良し
【●「かり さだまり さか つぎ」の たぐひ ひ‥‥
こと あり て ゆき たり とも
その こと はて な ば
とく かへる べし
([いづる ふみ]つれづれぐさ)
[とき]す べき こと あり て ゆき たり とも
その こと はて な ば
とく かへる が よし】

●「仮定逆接」の例 1‥‥
用ありて行きたりとも
その事果てなば
とく帰るべし
([出典]徒然草)
[訳]用事があって行ったとしても、
用事が済んだら
とっとと帰るのがよい。
【●「カテイ ギャクセツ」の レイ イチ‥‥
こと あり て ゆき たり とも
その こと はて な ば
とく かへる べし
([シュッテン]つれづれぐさ)
[ヤク]ヨウジ が あって いった と しても、
ヨウジ が すんだ ら
とっとと かえる のが よい。】

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●「仮定まり逆接ぎ」の例 二‥‥
二三にては死ぬともあらじ
([出づる典]枕草子)
[譯き]二番目三番目の女にては
生らぬ世にて暮らすとも
居らじ
(「死ぬとも」→
「生らぬ世にて暮らすとも」→
「常しへに」「えしも」)
【●「かり さだまり さか つぎ」の たぐひ ふ‥‥
ふ み にて は しぬ とも あら じ
([いづる ふみ]まくらくさふみ)
[とき]ふゐめ みゐめ の をんな にて は
あら ぬ よ にて くらす とも
あら じ
(「しぬとも」→
「あら ぬ よ にて くらす とも」→
「とこしへに」「え しも」)】

●「仮定逆接」の例 2‥‥
二三にては死ぬともあらじ
([出典]枕草子)
[訳]二番目、三番目の女では、死んでも居たくない。
[意訳]たとえ死んであの世で暮らすことになっても、
二番目、三番目の女では居たくない。
(「死んでも」→
「死んであの世で暮らすことになっても」→
「永久に」「絶対に・何がどうあっても・どうしても)」)
【●「カテイ ギャクセツ」の レイ ニ‥‥
ふ み にて は しぬ とも あら じ
([シュッテン]まくらのソウシ)
[ヤク]ニバンメ、サンバンメ の おんな では、
しんでも いたくない。
[イヤク]たとえ しんで あのよで くらす ことに なっても、
ニバンメ、サンバンメ の おんな では いたくない。
(「しんでも」→
「しんで あのよ で くらす ことに なっても」→
「エイキュウに」「ゼッタイに・なにが どうあっても・どうしても」)】

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●仮定まり‥‥
言ふ事の仮に定まりたるとして言ふ表し方
【かり さだまり‥‥
いふ こと の かり に さだまり たる と して いふ あらはし かた】

●仮定‥‥
述べる事柄が仮定のものとして述べる表現形式。
【カテイ‥‥
のべる ことがら が カテイ のものとして のべる ヒョウゲン ケイシキ。】

 
●逆接ぎ‥‥
前に言ひし事を因とせし時に
後に言ひし事が想さるる果とは逆の事を言ひたる表し方
後に言ひたる部が順接ぎとは逆になりたる表し方
【●さか つぎ‥‥
さき に いひ し こと を もと と せ し とき に
あと に いひ し こと が あらまさ るる すゑ とは さか の こと を いひ たる あらはし かた
あと に いひ たる ところ が ことはり つぎ とは さか に なり たる あらはし かた】

●逆接‥‥
前述を原因とした場合に、後述が予想される結果とは逆の事柄を述べる表現形式。
後述の部分が順接とは逆になっている表現形式。
【●ギャクセツ‥‥
ゼンジュツ を ゲンイン とした ばあい に、コウジュツ が ヨソウされる ケッカ とは ギャク の ことがら を のべる ヒョウゲン ケイシキ。
コウジュツ の ブブン が ジュンセツ とは ギャク に なって いる ヒョウゲン ケイシキ。】

 
≪助け物等【たすけ もの など】(参考文献等)≫
・大野晋 (1988)『日本語の文法〈古典編〉』角川書店
・金田一春彦 (1977)『新明解古語辞典』三省堂
・藤堂明保 (1978)『学研漢和大字典』学研プラス

 
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