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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

観音経(かんのんきょう)1

妙法蓮華経 観世音菩薩 普門品 第二十五
(みょうほうれんげきょう かんぜおんぼさつ ふもんぼんだいにじゅうご)

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[キーワード]
無盡意菩薩(むじんにぼさつ) 

●原文
爾時 無盡意菩薩 卽從座起
にじ むじんにぼさつ そくじゅうざき

●書き下し文
爾(そ)の時、無盡意菩薩、卽ち座より起(た)ちて、

●訳 1
その時、無盡意菩薩は、直(ただ)ちに座より起ちて、

●訳 2
その時、無盡意菩薩は、直(す)ぐに座から立ち上がり、

●解説
・爾時・・・
釈尊がこの世に居られた時の、此(こ)れから説法をしようとする「爾(そ)の時」であり、同時に今の私が応身佛(おうじんぶつ)(人間の姿形をした佛(ほとけ)様)であるところの釈尊に対して、此(こ)れから質問をしようとする「今、現在」。
・無盡意菩薩(アクシャヤマティ菩薩)‥‥
無盡意菩薩とは、学んでいる人々を代表している菩薩。
盡(つ)くることのなき悟りへの意(おも)ひを持ちたる菩薩。
盡(つ)くることのなき強き意志を持ちたる菩薩。
尽くることのなき意(こころ)を持つ菩薩。→ 常(とこ)しなへに道を求め続ける修行者。
悟りたしといふ、盡くることなき意ひを持ちて、悟るまで佛の敎へを學ぶことに身を獻ぐる者。
【さとりたしと いふ、つくる ことなき おもひを もちて、さとるまで ほとけの おしへを まねぶ ことに みを ささぐる もの。】
「アクシャヤ」:「盡くること無し」
「マティ」:「獻身」「身を獻(ささ)ぐること」「祈り」「祈ること」
「菩薩」:今、修行中の人。悟りへ向けての修行中の人。

「アクシャヤマティ菩薩」:「盡くること無き祈りをする菩薩」「常に佛の敎へに身を獻(ささ)げている修行者」

●「アクシャヤ(サンスクリット語)」‥‥
[意] 終ふることなし。常しなへに續く。盡くること無し。朽つること無し。滅ぶること無し。永遠に續く。不盡の。不朽の。不滅の。
[語感] 常しなへに續くさま。
【●「アクシャヤ(サンスクリット語)」‥‥
[こころ] をふる こと なし。とこしなへに つづく。つくる こと なし。くつる こと なし。ほろぶる こと なし。エイエンに つづく。フジンの。フキュウの。フメツの。
[ことの おもひ] とこしなへに つづく さま。】
——
●「とこしなへなり」‥‥
[漢字(からかた)] 常しなへなり
[單つ語(ひつこと)の種(くさ)] 形容動詞
[活用型] ナリ活用
[活用]{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
[例(たぐひ)]「心とこしなへに安し」(『徒然草 二一七(ふも と な)』の文(あや)を改(あらた)む)([譯(と)き] 心はいつまでも安らかなり。)

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●原文
偏袒右肩
へんだんうけん

●書き下し文
偏(ひとへ)に右の肩を袒(あらわ)にし、

●訳
法衣(ほうえ)の右肩を脱いで、

 
≪參考文献等≫
・神魔精妖名辞典
(アクセス日:2017/11/11)

 
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《今日の言葉》
「近くして見難きは我が心、
細にして空に遍(あまね)きは我が仏なり」

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文花【あやはな】(文学)

新古今集 静かなる暁ごとに

[キーワード]
静寂

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静かなる 暁ごとに 見わたせば
まだ深き夜の 夢ぞ悲しき

しづかなる あかつきごとに みわたせば
まだふかきよの ゆめぞかなしき

式子内親王(しきしないしんのう)

(新古今・1970)

 
(訳 1)
私は毎日、毎日、夜明け前の静寂の中で瞑想をしている。
見渡せば、人々はまだ深い眠りの中にいる。

(訳 2)
夜明け前の静寂の中で私は瞑想をしている。
見渡すと、人々はまだ深い眠りの中にいる。
私は毎日、瞑想をしているが、いまだ悟ることが出来ず、迷いの中、夢の中にいる。

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《今日の言葉》
「怠らず、行かば千里の外も見ん、牛の歩みのよし遅くとも」
徳川家康

 
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佛の敎へ【ほとけのをしへ】(佛敎)

延命十句観音経 (えんめいじっくかんのんきょう)

延命十句観音経 (えんめいじっくかんのんきょう)

(正字体)
延命十句觀音經

 
[キーワード]
観世音菩薩様

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●原文
観世音
かんぜおん
南無佛
なーむーぶつ
与佛有因  
よーぶつ うーいん
与佛有縁
よーぶつ うーえん
佛法僧縁
ぶっぽう そうえん
常楽我浄
じょうらく がーじょう
朝念観世音
ちょうねんかんぜーおん
暮念観世音
ぼーねんかんぜーおん
念念従心起
ねんねんじゅうしんきー
念念不離心
ねんねんふーりーしん

 
(正字体)
觀世音 南無佛
與佛有因 與佛有緣
佛法僧緣 常樂我淨
朝念觀世音 暮念觀世音
念念從心起 念念不離心

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●訳
観世音菩薩様、私は佛様(ほとけさま)に帰依(きえ)いたします。
私は佛(ほとけ)になるための因を持っています。
私は佛(ほとけ)になるための縁を持っています。
私は佛様(ほとけさま)・佛様の教え・佛様の教えを教える人と縁があります。
この世界は不滅・安楽・無我・清浄です。
朝に観世音菩薩様を念じ、
暮に観世音菩薩様を念じ、
一念一念、観世音菩薩様を心より念じ、
一念一念、観世音菩薩様に寄り添います。

●言葉の意味
・帰依・・・
信仰する。
・「常楽我浄」の「常」・・・
私達は「常」(不生不滅)の大生命であることを意味している。
・「常楽我浄」の「楽」・・・
人間の本性の神様の部分は安楽そのものであることを意味している。
・「常楽我浄」の「我」・・・
小さな我執をはなれて真実の自己に目覚めた自由自在の無我のはたらき。
・「常楽我浄」の「浄」・・・
迷いの心が尽きた時に現れてくる清らかな世界。

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《今日の言葉》
「我が生(しょう) 何処(いずこ)より来たる 去って 何処にか行く」
良寛

 
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無量義経(むりょうぎきょう)12

[キーワード]
菩薩

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●原文
其菩薩名曰。
ごぼさつみょうわつ。

文殊師利法王子。
もんじゅしりほうおうじ。

大威徳蔵法王子。
だいいとくぞうほうおうじ。

無憂蔵法王子。
むうぞうほうおうじ。

大辯蔵法王子。
だいべんぞうほうおうじ。

弥勒菩薩。
みろくぼさつ。

導首菩薩。
どうしゅぼさつ。

藥王菩薩。
やくおうぼさつ。

藥上菩薩。
やくじょうぼさつ。

花幢菩薩。
けどうぼさつ。

花光幢菩薩。
けこうどうぼさつ。

陀羅尼自在王菩薩。
だらにじざいおうぼさつ。

観世音菩薩。
かんぜおんぼさつ。

大勢至菩薩。
だいせいしぼさつ。

常精進菩薩。
じょうしょうじんぼさつ。

寳印手菩薩。
ほういんしゅぼさつ。

宝積菩薩。
ほうしゃくぼさつ。

宝杖菩薩。
ほうじょうぼさつ。

越三界菩薩。
おつさんがいぼさつ。

毘摩跋羅菩薩。
びまばつらぼさつ。

香象菩薩。
こうぞうぼさつ。

大香象菩薩。
だいこうぞうぼさつ。

師子吼王菩薩。
ししくおうぼさつ。

師子遊戲世菩薩。
ししゆけせぼさつ。

師子奮迅菩薩。
ししふんじんぼさつ。

師子精進菩薩。
しししょうじんぼさつ。

勇鋭力菩薩。
ゆえいりきぼさつ。

師子威猛伏菩薩。
ししいみょうぶくぼさつ。

荘厳菩薩。
しょうごんぼさつ。

大荘厳菩薩。
だいしょうごんぼさつ。

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●訳
其の菩薩の名を、文殊師利法王子・大威徳蔵法王子・無憂蔵法王子・大弁蔵法王子・弥勒菩薩・導首菩薩・薬王菩薩・
薬上菩薩・華幢菩薩・華光幢菩薩・陀羅尼自在王菩薩・観世音菩薩・大勢至菩薩・常精進菩薩・宝印首菩薩・宝積菩薩・
宝杖菩薩・越三界菩薩・毘摩跋羅菩薩・香象菩薩・大香象菩薩・師子吼王菩薩・師子遊戯世菩薩・師子奮迅菩薩・
師子精進菩薩・勇鋭力菩薩・師子威猛伏菩薩・荘厳菩薩・大荘厳菩薩という。

●解説
お釈迦様の説法に多くの菩薩が集まった。

 
≪参考文献≫
・伏見友貴 (2013)『無量義経』
(無量義経徳行品第一)
・白川静 (2003)『常用字解』 

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文花【あやはな】(文学)

源氏物語 若菜(わかな) 7

[キーフレーズ]
四人の女宮

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●原文
御子(みこ)たちは、春宮(とうぐう)をおき奉(たてまつ)りて、女宮(をんなみや)たちなむ四所(よところ)おはしましける。

●訳 1
御子たちは、東宮を除き申し上げて、女宮たちが四人いらっしゃった。

●訳 2
朱雀院の御子は、春宮をお除き申し上げて、四人の女宮がいらっしゃった。

●解説
・春宮・・・
皇太子の別称。東宮。

 
●原文
その中に、藤壺と聞こえしは、先帝(せんだい)の源氏にぞおはしましける。

●訳 1
その中でも、藤壷と申し上げた方は、先帝の源氏でいらっしゃった。

●訳 2
その女宮の中で、藤壺女御(ふじつぼのにょうご)と言われていた方は、三代前の帝の皇女で、源氏でいらっしゃった。

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●解説
朱雀院の病気と出家への思い。
朱雀院の妻の死。
朱雀院の四人の皇女。
朱雀院は、皇女の中の女三の宮(おんなさんのみや)の将来が心配で、出家の意思が固まらない。
+
女三の宮の母が藤壺女御。

 
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《今日の言葉》
「焦りは何の役にも立たない」
ゲーテ

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神話【かみかたり】(神話)

古事記(ふることふみ) 40

[キーフレーズ]
天武天皇

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●原文 (本居宣長『古事記伝』より)
然天時未臻。

●書き下し文 1
然れども天(てん)の時(とき)、未(いま)だ臻(いた)らず、

●書き下し文 2(本居宣長『古事記伝』より)
然れども天の時未だ臻(いたら)ざりしかば。

●訳 1
然しながら、天の時は未だ至っておらず

●訳 2
然しながら、天子となるべき時期は未だ至っておらず

●解説
・天の時・・・
天上界の神の導きにより、大海人皇子(おおあまのみこ)が天皇(すみらみこと)となる時期。

●言葉の意味
・「臻」(部首)

いたる
・「臻」(正規の読み)・・・
シン
いた(る),きた(る),おお(い)
・「臻」(正規の意味)・・・
いたる。
きたる。
おおい。

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●原文 (本居宣長『古事記伝』より)
蝉蛻於南山。

●書き下し文 1
南山(なんざん)に於(お)いて蝉蛻(せんぜい)せられ、

●書き下し文 3(本居宣長『古事記伝』より)
南山に蝉の如く蛻(もぬ)けたまひ。

●訳 1
吉野山に入り、迷いを捨て戦う決意をなされ、

●訳 2
吉野(よしのやま)の地で、天子となるべく戦う決意をなされ、

●訳 3
吉野山に入って衣服を変えてお隠れになり、

●言葉の意味
・「蛻」(正規の読み)・・・
セイ,ゼイ
ぬけがら,もぬけ,もぬけ(る)
・「蛻」(正規の意味)・・・
ぬけがら。もぬけ。
もぬける。外皮を脱ぐ。

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●解説(本居宣長『古事記伝』より)(上の原文と無関係な箇所は省略)
然天時未臻。蝉-蛻於南山。人事共洽。虎-歩於東國。
・然れども天の時未だ臻(いたら)ざりしかば。南山に蝉の如く蛻(もぬ)けたまひ。
京師(けいし)をのがれ出(いで)て、吉野山(よしのやま)に入(い)リ坐(ま)シしことなり。
皆書紀に見ゆ。
(意訳:
都(みやこ)を遁(のが)れ、吉野山(よしのやま)にお入りになられたことを記している。
すべて日本書紀に記されている。)
+
・「京師(けいし)」・・・
都。ここでは天智天皇が遷都なされた大津宮(おおつのみや)のこと。
・「南山」・・・
大津宮から南に位置する吉野山のこと。
・座(ま)す・・・
補助動詞
お…になる。
・入(い)り座(ま)す・・・
お入りになる。

 
《参考文献等》
・次田真幸(1977)『古事記』講談社学術文庫
・『中杉 弘のブログ』

(アクセス日:2017/2/21)
・古事記をそのまま読む

(アクセス日:2017/2/21)
・南さんちの「つれづれなる記」
(本居宣長大人著『古事記伝』を読んでみよう:第133回)

(アクセス日:2017/2/21)

 
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